伊人直播app

気候変动に役立つ高分子膜の开発を

谷口育雄准教授
英文著者 William J. Potscavage Jr. ? 2020/10/08 ? 动画作成者

気候変动に役立つ高分子膜の开発を

谷口育雄准教授
英文著者 William J. Potscavage Jr.
2020/10/08
动画作成者
谷口育雄
谷口育雄
准教授
カーボンニュートラル?エネルギー国际研究所(滨?颁狈贰搁:アイスナー)
専门分野
高分子材料科学

谷口育雄
谷口育雄
准教授
カーボンニュートラル?エネルギー国际研究所(滨?颁狈贰搁:アイスナー)
専门分野
高分子材料科学

代の生活は、発电、燃焼、输送などほぼすべてにおいて、化石燃料に頼っています。私たちは便利さを享受する一方で、二酸化炭素の排出を続けています。二酸化炭素は、低浓度であれば一见害はないものの、今日世界が直面する最大の环境问题、地球温暖化と気候変动を引き起こす胁威の存在です。

人间の活动が原因の地球温暖化は、主に温室効果ガスによって引き起こされます。温室のガラスがまるで地球を覆うように、太阳の光を内部(大気中)に溜め、外へ热が放出されるのを防ぐ性质を持っているためです。中でも、二酸化炭素は人间の活动によって生じる温室効果ガスの主成分です。世界では、大気中の二酸化炭素排出量の削减を目指し、化石燃料の使用を减らすべく研究を急いでいます。

研究室で高分子膜製作の様子を见せる谷口准教授

九州大学カーボンニュートラル?エネルギー国际研究所の谷口育雄准教授は、别の角度からこの问题に取り组んでいます。大気中に排出される二酸化炭素を减らすため、排出源において二酸化炭素を分离回収し、地中贮留する研究です。排ガスから二酸化炭素を分离する技术が有効となれば、排出削减を加速させる非常に実用的な手段となります。

「现在、二酸化炭素を分離回収する技術には、主に、吸収法、吸着法、膜分離法の三つの方法があります。」と谷口准教授は話します。「吸収法は最も研究が進んでいるものの、吸収した二酸化炭素を回収する過程で、多くのエネルギー(コスト)を要することがネックであり、依然として実用化に向けた障壁となっています」。

吸収法に代わる方法として、谷口准教授が开発を进めているのが、高分子膜によって、混合ガスから二酸化炭素を选択的に分离する膜分离法です。高分子といえば、プラスチックの容器などとして利用されていますが、谷口准教授は、二酸化炭素が选択的に透过する高分子を设计しています。

开発した分离膜は、小さい分子だけを穴から落とすような「ふるい」とは异なる分离様式で、サイズだけではなく、特定のガス分子を通したり、ブロックしたりという分子の特性に基づく相互作用を利用した分离です。谷口准教授の研究グループは、高分子膜の构造を制御したり、他の分子を加えたりして、この相互作用をコントロールしています。膜を使った二酸化炭素の分离回収法において、世界トップレベルの成果を上げています。

再生可能资源から合成した生分解可能高分子の射出成形体。常温で加圧により成形できる。

「高分子膜の研究成果に大きく贡献したのが、アミンと呼ばれる窒素原子を含んだ化学物质の存在です」と谷口准教授。

「窒素グループと二酸化炭素の相互作用が、膜の选択性を高めます。そして、二酸化炭素への相互作用が、强すぎず、弱すぎないよう、アミンの化学构造を调整し最适化することで、どれだけ速く二酸化炭素を透过させるのか、を向上させることが可能となるのです」。

谷口准教授は研究を通じて、すべてのガス分子で最小の水素との混合ガスから二酸化炭素を分离する膜の开発にも成功しました。石炭や天然ガスなど化石燃料からの水素生成において、共に発生する二酸化炭素を选択的に分离するために、この特异なガス选択性が不可欠です。水素は、燃焼したり、燃料电池に使用したりする际に二酸化炭素を排出しません。低炭素な燃料として、今后の活用が期待されています。

完成した中空糸膜モジュールを点検する谷口准教授。开発技术の実用化に向けた一歩となる。

谷口准教授の研究は、単にラボでの取り组みにとどまりません。膜の実用化に向けてスケールアップに成功し、公司と共同で実証试験を始めるなど精力的に活动を行っています。他方で、もう一つの环境问题、プラスチック问题、を解决するべく、新たな高分子材料を设计しています。土に还ることのできないプラスチックの、环境に及ぼす长期的な影响が、世界中で悬念されています。そこで、谷口准教授は、自然环境中で分解するプラスチックの开発に乗り出しました。

「高分子材料科学は、こうした問題に対する新たな突破口となるのです。原理を調べ、新しい発見を重ねていくことで、進歩し、解決策の実现につながるのです」と谷口准教授は強調します。

研究室での実験から、现場での実用化に至るまで、谷口准教授は高分子の観点から環境問題に挑戦しようと研究に力を注いでいます。

その他のResearch Close-Upはこちら
高橋太

磁场から地球と太阳系の起源に迫る

高桥太准教授
2020/09/11
 
 
 
花田俊也

安全な宇宙空间を次世代に

花田俊也教授
2020/08/25
 
 
 
RESEARCH CLOSE-UP 一覧