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数の美しい関係を数学で见つけ出す

金子昌信教授
英文著者 William J. Potscavage Jr. ? 2021/04/05 ? 动画作成者

数の美しい関係を数学で见つけ出す

金子昌信教授
英文著者 William J. Potscavage Jr.
2021/04/05
动画作成者
金子昌信
金子昌信
教授
数理学研究院
専门分野
整数论

金子昌信
金子昌信
教授
数理学研究院
専门分野
整数论

究者たちが自然の仕组みを追求するため普段から使用しているツールの进歩は、科学の発展にとって重要な役割を果たしてきました。现在では、新たなツールとして、センサーやプロセッサ、测定技术がよく登场します。しかし、科学分野で広く用いられてきた最も古いツールの一つであり、今なお新たな発见をもたらしてくれるものと言えば、数学です。

数学は、何世纪にもわたって确立された原理をもとに、あらゆる现象を、数式や数で表したり、説明したりします。ただ、数を独自の方法で生み出すさまざまな関数や、数同士の関係性について、何世代もの间未解决の问题が数多くあります。これらの答えに迫ることは、新たな発见の扉を开くかもしれません。

九州大学大学院数理学研究院の金子昌信教授は、整数を特定の仕方でかけ合わせ,その逆数の无限和をとって得られる実数「多重ゼータ値」をテーマに、その答えを探し続けてきました。多重ゼータ値のいくつかの性质については、约250年前、伟大な数学者レオンハルト?オイラーがすでに考えていたものの、近年に入り、その関心が急に高まっています。

2018年のサマースクールで讲演する金子教授。他の研究者とつながる贵重な机会です。

「『结び目理论』や『场の量子论』といった领域で、多重ゼータ値が现れたことが、现代の研究が盛んになる一つの大きなきっかけだったと思います」と金子教授は指摘します。

「一例として、物质を构成する最小の単位である素粒子の相互作用を记述する『ファインマン図形』に関连して多重ゼータ値が现れます。梦物语かも知れませんが、多重ゼータ値研究の进展によって、新しい素粒子の存在を予言できる可能性も零ではないと思っています」。

金子教授が数の科学に魅せられたのは、子どものころです。もともと天文学の世界に兴味を持っていた金子教授は、惑星や彗星の动きや轨道を计算しようと试みました。高度な计算が必要になると知った中学生の时に、生涯をかけて取り组むことになる数学の探求が始まったのです。

「その时から数学の魅力に惹かれていましたね。数学の美しさは、どんな段阶でも感じられたものです」と、金子教授は话します。

多重ゼータ値を定義する関数。値は、k1からkrまでの正の整数 r で特定されます。これら r 個の整数を用いて、右辺の分数は計算され、mr が無限まで、r 個の正の整数のすべての組み合わせ(m1から mr )の和となります。

「例えば、奇数の逆数を交互に引いて足してを无限に行って得られる数(1から3分の1を引いて、5分の1を足して、7分の1を引いて、と続く)は、円周率の4分の1になります。なぜここに円周率が出てくるのでしょうか。これは、数同士の美しく、深い関係を示すものであり、この関係の証明が、また新たな理解につながっていきます」。

金子教授が多重ゼータ値という研究テーマに至るまでには、数の関係性だけではなく、人のつながりに导かれたという意外なエピソードがあります。金子教授は、恩师の出版した教科书にあった一つの问题を考えるうちに、のちに多重ゼータ値と関係することになるある対象と出会いました。それを同僚や知人と议论するうちに、以前にある讲演で闻いた多重ゼータ値と结びついていきました。その时の讲演者と、后に多重ゼータ値の共同研究をすることになるとは、当初は思いもしませんでした。

数学は、人々が何世纪にもわたって同じ问题に取り组んできたように、时代を超えて人を结びつけます。ただ、金子教授は昔の数学者とは异なり、研究に最新のツールを取り入れています。

コンピューターによる计算は、数の新たな関係性を探る金子教授の研究にとって、大きな役割を果たしています。

「コンピューターを使って计算したり、新しいパターンを探したりすることが多いです。数値実験をすることで、新たな発见につながることがあります」と金子教授は説明します。

30年以上に及ぶ研究生活で、金子教授は、谁もが想像できなかった、わくわくするような発见をいくつも成し遂げてきました。中でも教授の印象に残っているのは、楕円曲线について、ある特定のタイプのパラメータ化を考えたときに、モジュラー形式と呼ばれる関数の特定の系列が再现されるという、不思议な発见をしたことです。

「简単に言うと、二人の人が别々に、まったく异なった観点から选びだした商品のリストが、なぜかぴったり一致してしまったようなものです」と金子教授は説明します。「なぜこうなるのかはまだ分かっていませんが、谁も见つけられていない深い関係があるはずです」。

数、関数、自然、そして人。これらの深いつながりこそが、金子教授にとって数学の美しさをより一层际立たせるものなのです。

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