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平成27年度 九州大学学士学位记授与式告辞(2016年3月25日)

総长式辞?挨拶等

平成27年度 九州大学学士学位记授与式告辞(2016年3月25日)

本日、九州大学から新たな一歩を踏み出す学部卒业生の皆さん、卒業おめでとうございます。今年は、2,599名(男性1,820名、女性779名、留学生34名)の学部学生が九州大学を卒業します。九州大学教職員を代表して皆さんの卒業を心よりお祝いいたします。また、今日まで長きにわたって皆さんの勉学を支え、励まし、指導してこられたご家族や関係者の皆様に心からお慶び申し上げます。
 皆さんは九州大学でのこの4年间あるいは6年间で、先生方の指导を受け、学业、クラブ活动、友达?先辈?后辈たちとの交流、ボランティア活动などの社会活动そして読书などを通してさまざまなことを学び、体験し、成长したことと思います。

また、青年期は自己のアイデンティティーや方向性の确立の时期でありますが、皆さんは学生生活の中で确立されてきたことと思います。
そして、今回学士という学位を授与されたわけです。これからは経済的にも亲から独立して本当の意味での自立した社会人になるわけです。
 ところで、学位記授与式は、一昨年よりこの椎木讲堂で行われるようになり、今回で3回目となります。この椎木讲堂は九州大学の創立百周年記念事業の趣旨にご賛同を頂き、世界に冠たる最高水準の教育研究拠点を目指す九州大学の理念に共感し、人類社会の持続的発展に貢献する優れた人材が多く育っていくことを願って、椎木正和様のご好意により、できたものであります。大学の中でこのように学位記授与式を行えることは素晴らしいことであり、椎木正和様に、この場を借りて改めて深甚なる謝意を表したいと思います。

平成21年4月から、すべての入学生の授业はここ伊都キャンパスで行われています。今日卒业する皆さんは、九州大学での学生生活を伊都キャンパスで始めたことと思います。その顷からキャンパスは大きく変わり、発展してきています。

この伊都キャンパスは、平成17年秋に工学系の第一陣が移転して開校以来、11年が経過しました。伊都キャンパスの整備は着実に進んでおります。移転事業は第1ステージから第2ステージを経て、現在第3ステージであります。今後の整備予定としては、まず農学系総合研究棟であります。昨年12月1日に安全祈願祭を行い、平成30年1月の完成に向けて建設が進んでいます。また、人文社会科学系の総合教育研究棟は今年の1月29日に安全祈願祭を行い、着実に建設が進められています。中央図书馆は本年10月に一部開館します。3年後の平成30年2月に人文社会科学系研究棟の建設も完成し、平成30年度には移転事業は完了する予定です。
そうしますと伊都キャンパスはさらに大きく発展し、自然环境?歴史との共生や未来エネルギー社会のモデルキャンパスとなります。九州大学は、この未来型キャンパスを核として、教育、研究、社会贡献など多様な活动を推进していきます。
その他の病院地区、大桥地区、筑紫地区キャンパスの整备もなされています。一方、箱崎地区は売却に向けて、新しいまちづくりの视点から福冈市などの関係机関との协议が进んでいます。

 ところで皆さんが入学してから、国内外において実にさまざまなことがありました。すこし振り返ってみたいと思います。
国际的には6年前の2010年にはアラブ诸国で反政府デモ、ギリシャ财政危机、2011年にはニュージーランド地震やタイの大洪水、2012年にはシリアの内戦泥沼化になり、现在まで続いています。2013年にはフィリピン台风被害、2014年にはアフリカにおいてエボラ出血热の大流行、滨厂滨尝(イスラム过激派组织)の台头、昨年の2015年には欧州への难民杀到、米国?キューバの国交回復などがありました。中东地域の内戦や欧州への难民杀到は现在まで引き続いております。
国内では、何といっても一番大きな出来事は、5年前の2011年3月11日に発生した东日本大震灾でした。この地震とそれに伴って起こった津波によって1万6,000人近い贵い命が失われ、いまなお、2,562人の行方が分からず、约17万人が避难や転居を余仪なくされています。
また、福岛第一原子力発电所事故の终息にはまだまだ长い年月がかかります。福岛県では今も约10万人が県内外に避难しています。これらの方々に改めて衷心より哀悼の意とお见舞いを申し上げます。明るい话题としては2020年の东京オリンピック开催が决定したこと、昨年、一昨年に连続して日本人がノーベル赏を受赏したことなどがあります。
本学における2015年度の主な出来事としては、上半期には医学歴史馆やグリーンファルマ研究所など多くの施设が开所したこと、10月にはウエスト1号馆、理学系総合教育研究栋の完成により、理学系の移転が完了したこと、日中学长会议や日豪大学间シンポジウムなどの国际会议を主催したことなどがあげられます。
 そして昨年の大晦日には、本学理学研究院の森田教授が発见した「113番元素」の命名権を日本が获得したという朗报が飞び込んでまいりました。この栄誉は九州大学として大変光栄であります。

九州大学では、2011年の创立百周年を记念して、新たな百年に向けて「跃进百大」、すなわち、すべての分野において世界のトップ百大学に跃进する、というスローガンを掲げ、「自律的に改革を続け、教育の质を国际的に保証するとともに、常に未来の课题に挑戦する活力に満ちた最高水準の研究教育拠点となる」ことを基本理念としました。

そして昨年10月には今后6年间の大学の活动指针となる「アクションプラン2015」を策定しました。6つの项目があります。
Ⅰ.世界最高水準の研究とイノベーション创出
Ⅱ.グローバル人材の育成
Ⅲ.先端医疗による地域と国际社会への贡献
Ⅳ.学生?教职员が夸りに思う充実したキャンパスづくり
Ⅴ.组织改革
Ⅵ.社会と共に発展する大学
であります。
この実现に向けて教职员や学生の皆さんと一绪に努力していきたいと思います。

アクションプランの重点施策として、グローバル人材の育成を掲げています。在学中には留学や国际的な経験の机会がなかった学生の皆さんもいると思いますが、経済や情报のボーダレス化は急速に进んでいます。これから皆さんが大学院に进学、あるいは就职して社会に出たときには、必ず世界との接点は访れます。产业界との恳谈では、「グローバル人材の育成」がテーマとなりますし、グローバル社会の中で活跃するリーダーの育成は、大学が果たすべき使命として社会から期待されています。

グローバル人材とは単に外国语を话すことが出来るということではなく、异文化を理解できる受容力、明晰な论理展开能力、そして自らの考えを国际社会で発信できる表现力が必要です。そのための近道は実际に海外に出て多くの体験を积み重ねることです。ぜひ若い时期に世界に飞び出してグローバル人材として飞跃していくことを愿っています。

皆さんはこれから広い世界に羽ばたいていくことになりますが、在学中に勉学、クラブ活动やアルバイトなど、共に励んだ仲间を大切にしてください。これは一生の宝となります。そして九州大学は常に皆さんと共にあり、皆さんの活动を応援します。九州大学の同窓会は学部ごとや各地方にもあります。また海外にも同窓会や九大の海外オフィスがあり、皆さんの力となります。卒业してからも九州大学とのつながりを大切にしてください。九州大学では年に一度、本学の同窓生に大学の过去?现在?未来を见ていただくための交流会を开催しています。また、近年の社会环境の急速な変化、不确実な时代に対応するため、社会人になってからも学び直しの必要性が増してきています。ぜひまた折に触れ、この豊かな文化?自然に恵まれたキャンパスを访れてください。お待ちしています。

また、皆さんは今后さまざまな困难に直面することと思います。困难なことに直面した时、自分を励ます言叶や考え方を持っていることは重要です。皆さんに3つの颁の言叶を2セットの6つの颁を赠りたいと思います。
 1セットは、Challenge, Change, Creation、挑戦、変化、創造と、もう一セットはCourage, Curiosity, Collaboration、勇気、興味、協力です。

 最后になりますが、皆さんが九州大学を卒业したことに夸りをもって、学んだことを生かしてください。
 そして、梦を持って今后の未来を切り开いて、大きく飞跃し、グローバル社会を力强く牵引するリーダーとして大成されることを期待しまして告辞といたします。

 

平成28年3月25日
九州大学総長 久保千春