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平成27年度 大学院学位记授与式(2016年3月25日)

総长式辞?挨拶等

平成27年度 九州大学大学院学位记授与式告辞(2016年3月25日)

本日学位記を授与された博士393名、修士1,711名、そして専門職大学院119名、合計2,223名(男性1,682名、女性541名、留学生335名)の皆さん、本当におめでとうございます。九州大学教職員を代表して皆さんの修了を心よりお祝いいたします。今日まで長きにわたって皆さんの勉学や研究を指導し、また様々な面で支えてくださった先生がた、研究室などご関係の皆様、そして、ご家族の皆様に対しまして御礼とお慶びを申し上げます。また本日は、インドネシアのバンドン工科大学Kadarsah Suryadi学長にもご臨席いただき、祝辞を述べてもらいます。

 ところで、学位記授与式は、一昨年よりこの椎木讲堂で行われるようになり、今回で3回目となります。この椎木讲堂は九州大学の創立百周年記念事業の趣旨にご賛同を頂き、世界に冠たる最高水準の教育研究拠点を目指す九州大学の理念に共感し、人類社会の持続的発展に貢献する優れた人材が多く育っていくことを願って、椎木正和様のご好意により、できたものであります。大学の中でこのように学位記授与式を行えることは素晴らしいことであり、椎木正和様に、この場を借りて改めて深甚なる謝意を表したいと思います。

この伊都キャンパスは、平成17年秋に工学系の第一阵が移転して开校以来、11年が経过しました。伊都キャンパスの整备は着実に进んでおります。伊都キャンパスは第1ステージから第2ステージを経て、现在第3ステージであります。
今后の整备予定としては、まず农学系総合研究栋であります。

昨年12月1日に安全祈願祭を行い、平成30年1月の完成に向けて建設が進んでいます。また、人文社会科学系の総合教育研究棟は今年の1月29日に安全祈願祭を行い、着実に建設が進められています。中央図书馆は本年10月に一部開館します。3年後の平成30年2月には人文社会科学系研究棟の建設も完成し、平成30年度には移転事業は完了する予定です。
そうしますと伊都キャンパスはさらに大きく発展し、自然环境?歴史との共生や未来エネルギー社会のモデルキャンパスとなります。九州大学は、この未来型キャンパスを核として、教育、研究、社会贡献など多様な活动を推进していきます。
その他の病院地区、大桥地区、筑紫地区キャンパスの整备もなされています。一方、箱崎地区は売却に向けて、新しいまちづくりの视点から福冈市などの関係机関との协议が进んでいます。

 ところで皆さんが入学してから、国内外において実にさまざまなことがありました。すこし振り返ってみたいと思います。
国际的には6年前の2010年にはアラブ诸国で反政府デモ、ギリシャ财政危机、2011年にはニュージーランド地震やタイの大洪水、2012年にはシリアの内戦泥沼化になり、现在も続いています。2013年にはフィリピン台风被害、2014年にはアフリカにおいてエボラ出血热の大流行、滨厂滨尝(イスラム过激派组织)の台头、昨年の2015年には欧州への难民杀到、米国?キューバの国交回復などがありました。中东地域の内戦や欧州への难民杀到は现在まで引き続いております。

国内では、何といっても一番大きな出来事は、5年前の2011年3月11日に発生した东日本大震灾でした。この地震とそれに伴って起こった津波によって1万6,000人近い贵い命が失われ、いまなお、2,562人の行方が分からず、约17万人が避难や転居を余仪なくされています。
また、福岛第一原子力発电所事故の终息にはまだまだ长い年月がかかります。福岛県では今も约10万人が県内外に避难しています。これらの方々に改めて衷心より哀悼の意とお见舞いを申し上げます。
明るい话题としては2020年の东京オリンピック开催が决定したこと、昨年、一昨年に连続して日本人がノーベル赏を受赏したことなどがあります。
本学における2015度の主な出来事としては、上半期には医学歴史馆やグリーンファルマ研究所など多くの施设が开所したこと、10月にはウエスト1号馆、理学系総合教育研究栋の完成により、理学系の移転が完了したこと、日中学长会议や日豪大学间シンポジウムなどの国际会议を主催したことなどがあげられます。
 そして昨年の大晦日には、本学理学研究院の森田教授が発见した「113番元素」の命名権を日本が获得したという朗报が飞び込んでまいりました。この栄誉は九州大学として大変光栄であります。

 ところで、现在、急速にグローバル化はすすんでいます。それへの対応として国の方は、财界や一般社会からの要请もあり、さまざまな予算措置を伴うプログラムを竞争的な环境のもとで用意しています。プログラムの多くは、国际化を推进し、グローバル社会の中で活跃するリーダー养成を目的とするものです。九州大学は、现在これらのプログラムを获得して展开しています。
「スーパーグローバル大学创成支援事业」は、海外の卓越した大学との连携や大学改革により大学の彻底した国际化を进める文部科学省の事业です。九州大学では、英语による讲义や在学中の留学を义务とする新学部の设置や、留学促进を目的とした四学期制の导入などを通じて、グローバル人材の育成を轴に教育システムの改革を行っています。

「博士课程教育リーディングプログラム」は、優秀な学生を俯瞰力と独創力を備え、広く社会にわたりグローバルに活躍するリーダーへと導くため、産学官の参画を得ながら、専門分野の枠を越えて博士課程前期?後期一貫した質の保証された学位プログラムです。本学では「持続可能な社会を拓く決断科学大学院プログラム」、「分子システムデバイス」、「グリーンアジア国际戦略」の3事業があり、幅広い教養を持ちながら、深い専門性を持つ人材の育成を推進しています。
 これらのプログラムを修了された方もおられると思います。

 九州大学の外国人留学生は、この5年间に倍増し、现在二千百人余りです。本学の场合、留学生の多くは大学院で学んでいます。
 留学生の皆さんは、修了后も出身の研究室の先生がたや仲间との共同研究や共同教育プログラム等を通じて、母国と九州大学との関係を强固なものとして维持し、架け桥となって顶くことを愿っております。また九州大学は海外にも同窓会や海外オフィスがあり、皆さんの力となります。修了してからも同窓会活动等を通じて、九州大学とのつながりを大切にしてください。

ところで、皆さんは大学院での研究を通してどのようなことを学ばれたでしょうか。研究において大事なことは情報化の中で氾濫している情報に惑わされないことが大事です。まずは自分のやりたいことを見つけることです。深く掘り下げる基礎研究が得意な人、疫学研究が好きな人、新しい物作りが好きな人、などさまざまです。全体の中で自分の研究や仕事の位置づけを把握することは重要です。 新しい発見をしたりして感動を覚え経験をされた人もおられると思います。皆さんは大学院生活を通じて専門的知識の獲得だけでなく、論理的思考力、分析力、統合力など培われていると思います。どの道に進まれようともこの間の研究生活は皆さんの今後にとってきっと役立つことになると確信しています。

私は研究生活で“主観を磨き、客観的に判断する座標軸を持つ” という言葉を教えてもらい、その後の仕事をする時の考え方に役立っています。

 现在、私たちは、环境汚染や地球温暖化、エネルギー问题、食料?水问题、宗教?民族问题による紧迫した国际情势など、地球规模の课题に直面しています。また、我が国特有の课题として、世界に类を见ない少子高齢化、厳しい财政状况などさまざまな课题に直面しています。
在学中に培ったそれぞれの総合力をいかんなく発挥して、社会の课题に果敢に挑戦し、未来を切り开く若者として世界に飞跃してください。

 皆さんは今后、更なる高みを目指して、次のステージに进むことになります。研究者として大学に残る人、会社や自治体への就职、留学などさまざまであると思います。
 皆さんが九州大学を修了したことに夸りを持って、学んだことを生かし、梦を持って今后の未来を切り开いて、大きく飞跃し、グローバル社会を力强く牵引するリーダーとして大成されることを期待して告辞といたします。

平成28年3月25日
九州大学総長 久保千春