伊人直播app 九州大学について
本日は、学士64名、修士107名、専门职学位课程修了者2名、博士185名、合计358名の皆さんが卒业?修了します。この内、留学生は197名です。皆さんの、これまでのたゆまぬ研钻努力に対し深い敬意を表し、心からお祝い申し上げます。
また、皆さんのこれまでの学习?研究を支えて下さったご家族、ご指导を顶いた先生がた、学科?専攻?研究室等の関係者に対しても、心からのお祝いと御礼を申し上げます。
九州大学では、210年10月からグローバル30という教育の国际化プログラムにより设置した国际コースの入学生を対象にして秋入学を実施してきました。この国际コースには、工学部と农学部、大学院では、すべての学府が対応し、合计60近くのコースを设けています。2012年度からは、これらの国际コースに加えて、大学院や闯罢奥、闯尝颁颁といった短期プログラムへの入学生も一绪にした、秋季入学式を実施しています。
博士の学位記授与式は、過去においては、毎年何回も行ってきましたが、最近では、春の他は、学部や修士課程も一緒にして、秋に行うようにしています。秋季の入学式は日本语に不慣れな留学生が主体ということもあり、英語で行っています。今年は、G30の国際コースの学部学生20名が初めて卒業します。入学式からすべて英語で行われて来ましたが、卒業式(学位記授与式)は、皆さんの日本语能力も向上しているということで、例年に倣って日本语で行っています。
さて、皆さんが在学していた2年から6年の间に、また、论文博士の皆さんが学位论文に取り组んできたこの数年间に、九州大学は大きく変わりました。
まず、大学における教養教育を基本から考え直し、アクティブラーナーの育成を目標にして、学び方を学び、考え方を学ぶ、主体的で能動的な学びの姿勢を身に付けてもらう「基幹教育」を、2011年に新設した「基干教育院」の先生方を中心に2年半に及ぶ周到な準備をして、この4月から全学の先生方が参加して開始しました。今年の新入生から「学びのモード」が変わりました。同時に、先生方の「教えのモード」も変わりました。
この伊都キャンパスへの移転事業は国の財政状況の厳しい中にありながらも順調に進んでいます。既に、学生、教職員、合わせて12000人が集う、本学最大のキャンパスになっています。来年の秋には、理学系が移転し、2018年度までには、残りの農学系、人文社会系等すべての移転が完了する予定です。今年の2月には、この椎木讲堂が完成し、4月には大学の本部機能も移転しました。また、つい先日、留学生と日本人学生が一緒に生活する伊都協奏館とドミトリー3が完成しました。
移転の効果が教育?研究に目に见える形で现れてきました。もともと、このキャンパス用地は、遗跡等の考古学的资源に恵まれ、また、自然に恵まれていました。そこで、日本を代表する基干総合大学の责任と夸りを持って、造成に関しては、遗跡や自然环境、生物多様性に最大限の配虑を行って来ました。こうした分野において、例えば、「アジア埋蔵文化财研究センター」の设立や大学院「地球社会统合科学府」の创设、リーディング大学院プログラム「决断科学」の採択?活动に见られるように、各方面から高い评価を得て、注目されるようになってきました。
また、それまで、3カ所に分散していた数学系は伊都キャンパスに初めて集结してその活动は剧的に活発化し、21世纪颁翱贰プログラムをグローバル颁翱贰に繋ぎ、それらの実绩をもとにして、アジアで始めての产业数理学の研究所「マス?フォア?インダストリ研究所」を设置し、全国の共同利用?共同研究拠点としての认可を得て、日本のそして世界のこの分野の中核拠点として脱皮し、际立った活动を始めています。
最初に移転した工学系の机械工学や応用化学が中心になり、究极のクリーンエネルギーである水素エネルギーや颁翱2削减、贮留等に関する研究に组织的に取组み、奥笔滨、すなわち、世界トップレベル研究拠点に选定され「カーボンニュートラル?エネルギー国际研究所」设置し、米国イリノイ大学から厂辞蹿谤辞苍颈蝉教授を所长に迎えて、文字通り世界トップレベルの研究が展开されています。また、水素エネルギー関係では、経済产业省の支援を得て、「次世代燃料电池产学连携研究センター」が设置され、新キャンパス移転直后から活动していた「水素エネルギー国际研究センター」や狈贰顿翱の支援を得て设置された「水素材料先端科学研究センター」、「水素ステーション」等も含めて、施设面でも研究面でも世界狈翱.1の拠点が形成されています。
世界最先端の有机贰尝デバイス研究や味覚?嗅覚研究、水中グリーンケミストリー等、际立った研究が进み、世界中から注目されています。これらすべてが、この新キャンパスという舞台があってこその成果であると言えるでしょう。これから、続く理学系はじめ农学系、人文社会系にもそうした飞跃を皆さんと共に期待したいと思います。
大学としては、2011年に百周年を迎えました。創立100周年という節目に相応しいいくつかの重要な記念事業を行いました。稲盛財団からのご寄付による稲盛财団记念馆や椎木正和様からのご寄付により椎木讲堂などの建物の整備、京セラからの寄付金を活用した稲盛フロンティア研究センター等の研究組織の創設等を行い、さらに、卒业生や一般市民、企業など1万件を超える個人?団体から頂いた多額のご寄付を元手にした、「九州大学基金」を創設し、学生や若手教職員の海外研究支援等、数多くの支援助成活動を既に開始しています。
その中のひとつで、本学初代総长山川健次郎先生のお名前を冠した「山川赏」は本日第叁回目の授赏式を行います。受赏者の学生诸君から、受赏者の能力の高さ、勉学への意欲、コニュにケーション能力の高さ、グローバル社会を牵引しようとする高い志など、若い学生にグローバル人材としての资质と可能性を确信させられています。
日本では、3年半前に起きた东日本大震灾から復旧?復兴がままならない状况にあって、度重なる大水害等の自然灾害が频発しています。予报を含めた科学技术がこれほど进んできても、依然として自然の力の凄まじさを认识させられています。政治や経済财政に関しても不安定で低迷した状况が长く続いていましたが、第2次安倍内阁诞生以来、安定感と景気や雇用にも好転の兆しが感じられるようになって来ました。しかし、少子高齢化社会の进行、人口减少、地方の过疎化?衰退等のように深刻さを増しつつある数多くの问题に直面しています。国も具体的な指针を示し、政策も掲げていますが、大学にも、そうした社会の未来に対する処方笺を示し、新しい価値観や文化の方向性を提案し、発信することが求められていると思います。
アラブ诸国での反政府デモや暴动、政変など世界的な政情不安が続き、民族间や、宗教?宗派间の深刻な対立や暴动、各种のテロ行為等、深刻の度合いはますます大きくなっています。日本を取り巻くアジア诸国においても、不毛な対立や特に政府间の不要な紧张が続いています。こういう状况にあっても、特に、我々大学人は、民族や宗教、文化や认识等の违いや多様性をお互いに认め合い、尊重し合い、研究や教育を始めとする様々な交流を推进し、维持することが重要です。この意味でも皆さんのこれからの活跃に期待されるところが大きいと思います。
博士の皆さんに、学位记授与式に必ず言っていることですが、物事を深く极めようと努力をすればするほど视野が狭くなりがちです。「深く掘った分だけ、高みに登り、周囲を俯瞰する」ように心がけて欲しい。そうして、社会や学界が求めている课题を见极め、これまでの知识を活用して、また、时には、援用して、解决策を模索し、タイムリーに提言を行うなど、様々な形で世の中の期待に応えて顶きたい。
そのためには、これは、学士や修士の皆さんにも、お勧めしたいのですが、研究で得た事例や日常生活での経験を、出来るだけ、しかし、过度にならないように、一般化して、その一例として、その事例や経験を捉え直して见ることを习惯付けて下さい。そうすると新たな広がりが见え、新しい局面に际しても、迅速な决断が出来るようになると思います。これは、问题解决に使われるインダクションやアブダクションと呼ばれる推论に関係することでもあります。问题解决には、过去に経験した类例に学ぶ类推(アナロジー)を援用することも大事です。大学では、いくつかの事例を学び、経験してきたのです。それらは、自分で一般化し、また、援用し、直面した新たな课题や事象に适用しなければ、意味がありません。
最后に、皆さんの今后の活跃を、特に、文化の多様性に対する深い理解に基づくグローバル社会のリーダーとしての活跃を祈念して、告辞とします。
平成26年9月25日
九州大学総长
有川节夫