研究者として自分が信じる道を贯いていく
人間環境学府 教育システム専攻
博士後期課程 2017年単位取得退学
宫川 幸奈
熊本学园大学
経済学部 准教授

―大学ではどのような研究をされていたのですか?
宫川 教育学部で教育哲学を専攻し、卒业论文では、子どもが成人へと成长するにあたり、「责任ある存在になるとはどういうことなのか」を研究しました。その后、大学院へと进学し、教育学の博士号を取得。博士论文では、学部生时代の研究テーマだった「责任」から派生して「自律を目指す教育」について発表しました。

―大学生活での思い出を教えてください。
宫川 よく九大フィルハーモニー?オーケストラでフルートを吹いていました。学部生时代はほぼ毎日颜を出し、楽器を吹いたり、友人と他爱のない话をしたりするのが楽しかったです。私が団员だった时に、九大フィルが创立100周年を迎え、记念演奏会の準备に奔走したのも良い思い出です。
―现在はどのような仕事をされているのですか?
宫川 教育哲学の領域で募集していた熊本学园大学の准教授として、中学?高校の教員免許取得を目指す学生に、教育原理や道徳教育の理論?方法などを講義しています。教育哲学の専門的な内容を扱うものではありませんが、講義の中にこれまでの研究で得たエッセンスを入れ、私ならではの講義になるような構成を意識しています。
―これからの目标を教えてください。
宫川 研究者は、これをやればうまくいくという正解がある仕事ではありません。だからこそ、迷ったときには安易な道を选ぶのではなく、自分が追究したいテーマを贯き、自分自身が面白いと感じる论文を、これからも书き続けていきたいです。

―九州大学で学んで良かったと感じることはありますか?
宫川 九州大学はとても大きな大学ですが、教育学部は他の学部に比べると学生が少人数です。その一方で先生の数が多いことが魅力です。そのため、先生方から丁寧なサポートを受けることができました。院生时代に研究を深めるためのアプローチ方法を迷っていた际も、先生方の指导やアドバイスを受けて道を见つけることができました。
―九州大学を目指す受験生や在校生にメッセージをお愿いします。
宫川 九大の教育学部は教员养成を専门とする学部ではないため、研究テーマや卒业后のキャリアがいろんな方向に広がっています。私自身、研究の先が见えずにつらい时期もありましたが、その时に考え抜いたからこそ、今、纳得して研究を続けられています。入学后に时间をかけて自分が进む道を决めていけるので、たくさん悩んで、试行错误する経験を大切にしてほしいと思います。

聞き手:増木 風佳 人間環境学府 教育システム専攻 博士後期課程2年
教育哲学の研究者として活躍されている先輩の、現在に至る経緯や今後の展望を伺うことができ、私自身もどのような選択をして生きていくか考えるきっかけになりました。迷ってきた経験を土台として「やってみたい」と思えることを大切にされている宫川さんのように、私も『挑戦を楽しむ人間』として教育現場に携わり続けたいと思います。
※本内容は「九大広报130号(令和6年12月発行)」に掲载されています。学年などは当时のものです。