
図书馆でも博物馆でもない
「大学文书馆」ってどんなところ?
図书馆でも博物馆でもない「大学文书馆」ってどんなところ?
※この取材は2024年5月に行いました。

九州大学大学文书馆の副館長、史料情報室長を務め、大学院统合新领域学府ライブラリーサイエンス専攻の教授、博士(比較社会文化)でもある。専門分野は大学史?アーカイブズ学?日本近代思想史。
九州大学に関する8万点以上の贵重な资料を保存する施设
九州大学箱崎サテライトの中央にそびえる旧工学部本馆に「九州大学大学文书馆」はあります。ここに保存されているのは、九州大学に関する贵重な资料の数々です。大学文书馆の副馆长を务める藤冈健太郎教授によると、保存点数は「主に九州大学法人文书からなる特定歴史公文书等に该当するものが约1万8000点、さらに个人などから寄赠された资料が正确には把握しきれていないのですが约7万点ほど」という膨大な数にのぼります。『九州大学七十五年史』编纂のために学内外から集められた资料を保存する施设として1992年に「九州大学大学史料室」が设置され、その后、大学史料室が学内の他の施设に点在していた歴史的な资料をまとめて保存する役割を担うことになり、2005年に「九州大学大学文书馆」が発足しました。

九州大学大学文书馆の副館長、史料情報室長を務め、大学院统合新领域学府ライブラリーサイエンス専攻の教授、博士(比較社会文化)でもある。専門分野は大学史?アーカイブズ学?日本近代思想史。
日本全国に16施设しかない「国立公文书馆等」に指定される

资料を保存するための一施设だった大学文书馆は、2011年に「国立公文书馆等」の施设として内阁総理大臣の指定を受けることになります。その経纬について藤冈教授は「公文书管理法が施行され、九州大学の特定歴史公文书等(歴史资料として重要な公文书その他の文书)を管理する施设として大学文书馆が指定されました。すべての国立大学法人に本学の大学文书馆に类似した施设があるわけではなく、国立公文书馆等に指定されているのは全国に16施设しかありません」と语っています。
また、2011年から17年にかけて刊行された『九州大学百年史』の编集期间中は、大学文书馆が编集室としての役割を果たしていました。

資料の保存や公開だけではなく研究や教育、広报などの活動も行う

大学文书馆の主たる活动は、集められた资料を整理?保存して、公开することです。特定歴史公文书等だけでなく、个人などから寄赠を受けたその他の资料についても、目録に记载のあるすべての资料は所定の手続きを踏むことで谁でも閲覧できます。さらに、贵重な资料群を调査?研究や教育に活用することも、大学文书馆の重要な役割といえます。具体的な活动内容について藤冈教授は「科学研究费をとって令和4年度まで私が担当していた、九州大学病院の古い诊疗録(カルテ)を研修材料にした医疗アーカイブズの构筑など、収集资料を调査?分析したさまざまな研究が行われています。また、大学院生が文书管理に関する研究を行うアーカイブズ学の授业を私が担当しており、その他にも基干教育として九州大学の歴史に関する授业などが行われています」と解説しています。
さらに、毎年刊行される『九州大学大学史料丛书』『大学文书馆ニュース』などでの情报発信も大学文书馆の活动の一部です。

常设展示されている资料や写真で九州大学の歴史を感じる
広报活動の一環として、大学文書館のある旧工学部本館内に資料の一部が展示されており、企画によって展示物を入れ替えています。また、2021年からは伊都キャンパスの椎木讲堂内でも常設展示が開始され、本学の歴史に関する資料や写真が気軽に見られるようになりました。



「九州大学大学文书馆」最新の活动をチェック!
「九州大学大学文书馆」
最新の活动をチェック!
既存资料の整理やオンラインで閲覧できるようにするためのデジタル化、新たに寄赠された兴味深い资料の公开に向けた準备、学生への授业や学内外への情报発信など、大学文书馆の活动范囲は多岐にわたります。その活动の一部をアルバイトの九大生が支えています。

膨大な资料を1点1点精査して目録にまとめていくという地道な作业には九大生がアルバイトとして参加し、母校の歴史を纺いでいます。

创立前から现在までの九州大学の歴史を、大学文书馆が所蔵するさまざまな资料によって绍介します。
24年秋には新资料が公开予定
本学の副学长を务め、科学技术史を研究していた吉冈斉の数万点に及ぶ资料を公开予定。原子力発电所に関する政府への提言など、贵重な资料を数多く準备しています。
吉冈斉の资料が第50回放送文化基金赏の受赏に贡献!
2024年3月2日(土)に放送された、狈贬碍福冈放送局制作の贰罢痴特集「膨张と忘却~理の人が见た原子力政策词」が、第50回放送文化基金赏のドキュメンタリー部门で最优秀赏を受赏しました。

同番组は、大学文书馆に保存されている吉冈斉の资料などをもとに制作されており、大学文书馆における资料の収集?整理?保存?公开の重要性が改めて认识され、そのような日々の地道な作业が、最优秀赏受赏に大きく贡献したといえます。

大学文书馆の资料などから判明した、九州大学の歴史を概説。母校の轨跡を知れるだけでなく、大学で学ぶこと?研究することなどの意味を考え、自らが生活する〝场?について「知る」习惯を身に付けられると好评です。

九州大学大学文书馆所属。収集资料の保存?活用の実务と研究のほか、基干教育科目や大学院の授业も担当している。

膨大な资料を1点1点精査して目録にまとめていくという地道な作业には九大生がアルバイトとして参加し、母校の歴史を纺いでいます。

创立前から现在までの九州大学の歴史を、大学文书馆が所蔵するさまざまな资料によって绍介します。
24年秋には新资料が公开予定
本学の副学长を务め、科学技术史を研究していた吉冈斉の数万点に及ぶ资料を公开予定。原子力発电所に関する政府への提言など、贵重な资料を数多く準备しています。
吉冈斉の资料が第50回放送文化基金赏の受赏に贡献!
2024年3月2日(土)に放送された、狈贬碍福冈放送局制作の贰罢痴特集「膨张と忘却~理の人が见た原子力政策词」が、第50回放送文化基金赏のドキュメンタリー部门で最优秀赏を受赏しました。

同番组は、大学文书馆に保存されている吉冈斉の资料などをもとに制作されており、大学文书馆における资料の収集?整理?保存?公开の重要性が改めて认识され、そのような日々の地道な作业が、最优秀赏受赏に大きく贡献したといえます。

大学文书馆の资料などから判明した、九州大学の歴史を概説。母校の轨跡を知れるだけでなく、大学で学ぶこと?研究することなどの意味を考え、自らが生活する〝场?について「知る」习惯を身に付けられると好评です。

九州大学大学文书馆所属。収集资料の保存?活用の実务と研究のほか、基干教育科目や大学院の授业も担当している。
建物図面
既に取り壊された建物から现在も各キャンパスに残る施设まで、さまざまな建物図面や建设にまつわる资料が残されています。大正12年に焼失した旧工科大学本馆の炼瓦や础石を、箱崎サテライトに今も残る本部第一庁舎に転用するにあたっての详细な记録など、本学创立からの歴史を今に伝える资料を数多く所蔵。大学の枠を超え、日本の建筑史において贵重な资料として研究にも活用されています。2023年に箱崎サテライトの4施设が国の登録有形文化财に登録されるにあたっては、これらの资料が文化财としての価値を示すために役立ちました。





西久光资料
本学が九州帝国大学だった顷の工学部教授で初代理学部长でもあった西久光に宛てた着名な科学者からの书简を中心とした资料です。物理学者であった西の交友関係は広く、书简の送り主には日本初のノーベル赏受赏者となった『汤川秀树』、磁気学、地球物理学、原子构造论などで世界的な功绩を挙げた『长冈半太郎』、日本に量子力学の研究拠点を作ることに尽力した『仁科芳雄』、本学の理学部创设の础となった『桑木彧雄』といった錚々たる颜ぶれが并んでいます。约200点に及ぶ资料のうち歴史的な価値が高いと思われる书简については、现物の公开だけでなく、文字の解読が难解な文面を书き起こして1册にまとめた册子も刊行されています。


奥田八二资料
1983年から12年にわたって福冈県知事を务めた奥田八二は、本学の教授だった顷から丁寧に日记をしたためており、県知事を退任した后まで约40年にわたる大量の日记を残しました。日记そのものは一般に公开されていませんが、日记を活字化したデータはウェブ上で公开されています。藤冈教授によると「この时代に知事を务めた人物の日记がこれだけの量で残され、公开されているのは日本で唯一ではないでしょうか」とのこと。当时の本学内の动き、地方自治、地方政治に関することが分かる贵重な资料です。

九州大学大学文书馆
■所在地
〒812-8581 福岡市東区箱崎6-10-1
罢贰尝:092-642-2292
■アクセスマップ

■开馆时间
午前9时30分から午后4时30分まで
■休馆日
土曜日及び日曜日、国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)に规定する休日、12月28日から翌年1月4日まで
*临时休馆の场合はのトピックスでお知らせします。
■利用请求について
特定歴史公文書等の利用請求をされる方は、閲覧を希望する資料を、九州大学大学文书馆(以下、文書館)受付に備え付けの「特定歴史公文書等目録」又はHP上の「資料目録」により確認のうえ、所定の「特定歴史公文書等利用請求書」に必要事項を記入して文書館受付へ提出してください(郵送による提出も可能です)。なお、「特定歴史公文書等利用請求書」の様式は、文書館受付にも準備しております。
■閲覧について
特定歴史公文書等の閲覧は、文書館の閲覧室にて行っていただきます。閲覧室を利用される場合は、文書館受付に備え付けている「九州大学大学文书馆閲覧室利用申込書」を受付にご提出ください。
※閲覧室内においては、ご持参いただいたカメラによる资料などの撮影は原则として可能ですが、撮影を行う场合には、文书馆职员にお申し出いただき、职员の指示に従って撮影してください。