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本学カーボンニュートラル?エネルギー国際研究所(I?CNER)CO2貯留研究部門 / 工学研究院地球資源システム工学部門の辻健教授が,国際測地学地球物理学連合(IUGG: International Union of Geodesy and Geophysics)の若手研究者賞(Early Career Scientist Award)を受赏しました。
滨鲍骋骋は,国际学术会议加盟の非営利な国际的学术団体であり,その规模は地球物理学研究分野において世界最大级です。「滨鲍骋骋若手研究者赏」は,滨鲍骋骋が顕着な地球惑星科学研究および国际研究协力を推进している优れた若手研究者を表彰する主旨に基づいて创设され,4年に1度世界中から10名以下を选定して赠呈されます。今回の受赏者に,日本人では唯一,辻教授が选ばれ,本学からは前回4年前の高桥太准教授の受赏に连続する快挙となりました。2回连続で受赏者が出たのは本学だけであり,世界的に本学の地球科学分野が高く评価されていることを示しています。
辻教授は,地震断层やメタンハイドレート,海底热水鉱床,地热贮留层を明らかにする物理探査技术の开発を行っています。新しく开発した解析手法を利用することで,これまで知られていなかった南海トラフや日本海沟の断层形态を明らかにし,震源分布や津波メカニズムに関係する新たな断层や特徴を明らかにしました。最近は,地下の动きを捉えることに力を入れており,地震や火山活动に伴う地殻内部の动きをモニタリングすることに成功しています(図1)。地球内部または表层で生じる変动を様々な测定センサで捉え,そのビックデータを上手く融合することで,防灾や安全な资源エネルギー开発に贡献することを目指しています。また,数値シミュレーションを用いてデジタル化した岩石から物性値を推定する学问领域「デジタル岩石物理」の构筑や,月面での资源开発に向けた探査手法の开発といった幅広い分野の研究も进めています。今回の受赏は,こうした分野横断的な研究业绩が高く评価されたものです。
受赏式は2019年7月にカナダ?モントリオールで行われる第27回IUGG General Assembly(総会)にて行われ,辻教授は受赏者として招待講演を行う予定です。
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図1.日本全域の地殻内部モニタリングプロジェクト。地下深部(深度約3km)を、波が伝わる速度(弾性波速度)の変化を使って、地殻活動をモニタリングした結果。赤い场所が弾性波速度の低下した场所で、熊本地震などによって、ダメージを受けた地殻に対応する。