Research Results 研究成果
ポイント
研究が必要とされる背景:カーボンニュートラルの実现には、気体のままでは贮蔵?运搬の効率が低い水素を、多くのエネルギーを必要としないで贮蔵?运搬し、そのまま利用できる技术の革新が求められている。
当该研究の内容:(1)常温で水素から「1电子」を抽出?贮蔵できる新しい発想の水素エネルギーキャリアとなるニッケル化合物を开発した。(2)必要な时に水素エネルギーキャリアの电子をそのまま还元反応に利用できる。(3)开発した水素エネルギーキャリアは电子还元剤としてだけではなく、触媒としても机能する。
社会に及ぼす影响:(1)本研究は、水素の电子を「常温抽出」「长期间贮蔵」「直接利用」できる新たしい水素エネルギーキャリアを开発した。(2)开発した水素エネルギーキャリアは安価な鉄族元素の一つであるニッケルの化合物である。今后は、さらに安価な鉄の使用を検讨する。(3)学术的には、天然のヒドロゲナーゼ酵素と同様に、本研究のニッケル化合物も、ニッケルの酸化数が+1の状态で水素から电子を贮蔵することを明らかにした。
概要
カーボンニュートラルの実现には、気体のままでは贮蔵?运搬の効率が低い水素を、多くのエネルギーを必要としないで贮蔵?运搬し、そのまま利用できる水素エネルギーキャリアの革新が求められています。
九州大学カーボンニュートラル?エネルギー国际研究所(滨?颁狈贰搁)/大学院工学研究院の小江诚司(おごうせいじ)主干教授らの研究グループは、近畿大学との共同研究により、常温で水素から「1电子」を抽出?贮蔵できる新しい発想の水素エネルギーキャリアとなるニッケル化合物を开発しました。开発した水素エネルギーキャリアは、电子を3ヶ月以上安全に贮蔵できて、必要な时に贮蔵した电子をそのまま还元反応に利用できます。学术的には、开発したニッケル化合物は、水素の合成や分解を担う天然のヒドロゲナーゼ酵素と同様に、ニッケルの酸化数が+1の状态で水素から电子を贮蔵することを示しました。
本研究成果は、ドイツの雑誌「Chemistry—A European Journal」オンライン版で令和5年9月25日(月)午前11時(日本時間)に公開されました。
小江主干教授からひとこと
安価な鉄族元素の一つであるニッケルを使用することで、水素エネルギーキャリア开発の道が开けました。これまでは、白金族元素を触媒として类似の反応を行なっていましたが、高価なためエネルギーキャリアとして使用するという発想はありませんでした。
论文情报
掲載誌:Chemistry—A European Journal
タイトル:
著者名: Chiaki Takahashi, Takeshi Yatabe, Hidetaka Nakai, Seiji Ogo*
顿翱滨:10.1002/肠丑别尘.202302297
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