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Research Results 研究成果

骨のような壊れ方で、金属疲労に強いミクロ構造を、鉄鋼材料で発見 -安全安心に貢献する金属疲労研究の新展開-

2017.03.10
研究成果Physics & ChemistryMaterials

 输送机器や机械类の破壊事故の约8割は金属疲労が原因とされています。このため、金属材料と金属部品の疲労特性を正しく理解し评価すること、また疲労特性に优れた金属材料を地道に开発し製造することは、地味な営みではありますが、安全安心な社会基盘の実现にとって重要です。
 金属疲労破壊では、一度に加える力は小さくても何度も繰り返して加えることで、材料表面に微小なき裂が発生しそれが拡大伝ぱして次第に大きく広がり最终的な破壊に至ります。九州大学大学院工学研究院机械工学部门の小山元道助教、野口博司教授、津﨑兼彰教授の研究グループは、この疲労き裂の発生と伝ぱを抑えるために、き裂先端部分での局所的な力学状态と金属ミクロ构造の関係に注目した研究を行いました。き裂発生の抑制の為にき裂周囲の金属が膨张や硬化する构造、き裂伝ぱ抑制の為にき裂面同士の摩擦が起こる构造に着目して、画期的な疲労特性を示す鉄钢を见出しました。特に「层状形态を要素に含む阶层性原子集団の金属ミクロ构造」によって、鉄钢が动物の骨のような粘りのある壊れ方をするため、き裂伝ぱが抑えられて疲労寿命が格段に延びることを明らかにしました。本成果は、応用面実用面への贡献はもちろん、疲労などの力学特性に优れた金属材料の开発に贡献する金属物理学、また鋭いき裂先端という特殊な力学状态を解析する破壊力学の両学问分野にとっても新展开をもたらすものとして期待されます。
 本研究は米国?マサチューセッツ工科大学およびドイツ?マックスプランク鉄钢研究所と连携して九州大学伊都キャンパスで実施され、その成果は平成29年3月9日(木)午后2时(米国东部时间)に米国科学誌厂肠颈别苍肠别に搁贰笔翱搁罢(笔头着者:小山助教)として掲载されました。また、本研究は日本学术振兴会科学研究费补助金若手研究(叠)(15碍18235)および基盘研究(厂)(16贬06365)の支援により遂行されました。

(参考図)A-C:疲労き裂の伝ぱの様子を示す走査型電子顕微鏡写真;鉄鋼が層状形態を要素に含む階層性ミクロ構造を持つことによって、その疲労き裂の表面がDに示す骨と同じように大小の周期で凸凹している。E:引張強さ900 MPa級の本開発鋼(赤丸印)の優れた疲労特性を示す試験応力-疲労寿命の関係図;灰色の△×□印は引張強さ800-1100 MPa級の従来鋼の比較データ。

研究者からひとこと

 构造金属材料の疲労に関する论文が厂肠颈别苍肠别誌に掲载されたことは长い间ありませんでした。本成果はそれほどに金属疲労研究として画期的であり、机械工学と材料科学の研究者がスクラムを组むことで初めて达成できました。これを安全安心な社会基盘の构筑にとって重要な金属疲労研究の活性化と新たな展开に繋げるために、今后も教育研究を続けます。

论文情报

,Science,
10.1126/science.aal2766

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