Research Results 研究成果
アリの社会には実にさまざまな共生昆虫が生活しており、世界中で100科以上の昆虫が独立に进化しています。なかでも军队アリとよばれる放浪性のアリ类には多种の甲虫が共生しており、とりわけハネカクシ科ヒゲブトハネカクシ亜科甲虫において多様化が着しく、その形态はきわめて多様です。なかでも、アリそっくりの形态「アリ型形态」は特笔すべき事象で、これに行动的特化を伴いアリの社会に上手く适応できています。このようなアリ型のヒゲブトハネカクシ亜科甲虫には多数の种が知られており、その进化の道筋は兴味深い课题でした。しかし、採集调査の困难さから、新鲜な标本が得难く、顿狈础情报を用いた正确な进化史については、まったく研究されていませんでした。今回、ヒゲブトハネカクシ亜科全体の系统树にアリ型种の情报を组み入れ、系统解析を行い、さらに化石情报をもとに分岐年代の推定を行いました。その结果、アリ型种の系统は少なくとも12回独立に进化したこと、军队アリが现存の属に多様化し、生态的に优占し始めた新生代以降(约6500万年前)に现れ始めたことが判明しました。本研究はアリ型という特殊形态が古い时代に现れ、収敛进化を遂げていたという稀な例を示したとともに、军队アリがいればアリ型种が现れるという进化的な一つの方向性の存在を示しました。これまであまり知られていなかった顕着な収敛进化の一例を科学的に示した点において、重要な教科书的成果といえます。
本研究成果は、平成27年3月9日(木)正午(東部標準時間)に学術誌「Current Biology」で掲載されました。
代表的な3组のアリ型ハネカクシ(それぞれ左)とその寄主アリ(右)
一昨年までの12年间、世界各地で军队アリを追いかけ、それらと共生するハネカクシを採集してきました。なにもかもが难しい调査で、ときにアリに全身を噛まれたり、热病にかかったり、つらいこともありました。ようやく重要なハネカクシの标本が揃い、今回それらがこのような论文に姿を変え、言叶にならない达成感でいっぱいです。