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Research Results 研究成果

短周期涡が世界一高温になるインドネシア多岛海の性质を左右することを発见

太平洋とインド洋をつなぐ海流の実态に迫る 2023.05.26
研究成果TechnologyEnvironment & Sustainability

ポイント

  • 太平洋とインド洋をつなぐインドネシア通过流の滞留时间と経路に、1日単位で変动する短周期の涡(注1)が与える影响を、高解像度海洋大循环モデル(注2)によって调査しました。
  • 短周期の涡は、インドネシア通过流がインドネシア多岛海内に滞留する时间を増加させ、冷たい中层水が表层へ涌昇するのを促进することを発见しました。
  • エルニーニョ现象(注3)や海洋热波(注4)などの気候変动现象や生物多様性の保全に重要な、インドネシア多岛海の海水温変动メカニズムの理解に贡献しました。

 海域全体で平均した月平均値が30℃を超えることもある世界で最も海面水温が高いインドネシア多岛海は、世界の海を巡る流れの重要な経路にあたっています。この多岛海を太平洋からインド洋に流れる海流であるインドネシア通过流の滞留时间と経路は、エルニーニョなどの気候変动现象に影响を与える海面水温を决める要因となっています。
 东北大学、海洋研究开発机构、九州大学、ハワイ大学マノア校、インドネシア国立研究革新庁の共同研究チームは、高解像度海洋大循环モデルを用いて、短期间で変动する涡の存在が、インドネシア通过流の経路と通过时间の决定に果たす役割を调べました。その结果、特定の海域で海水が长く滞留し、中层から表层までの涌昇を促进することを明らかにしました。
 海洋熱波を含む気候変動現象や生物多様性の保全にとって重要な、この海域の海水温の変動メカニズム解明に貢献する成果といえます。本研究成果は、5月14日に地球物理学分野の学術誌Journal of Geophysical Research - Oceansで発表されました。

世界の海を巡る循环とインドネシア通过流の模式図。インドネシア多岛海は世界で最も海面水温が高く、大気の深い対流活动の场となっている。

用语解説

(注1)短周期の涡
流れが蛇行したり、地形にぶつかったり、风の影响を受けたりすることことで生じる短い周期の涡のことです。
(注2)高解像度海洋大循环モデル
水温、塩分、海流の変化を物理方程式で表现し、海洋に配置した3次元の格子点上でコンピュータにより计算することで、それらの时间変化を求める一连のプログラムが海洋大循环モデルです。特に、直径数十キロメートル以下のスケールの涡を再现できるものを高解像度海洋大循环モデルと呼んでいます。
(注3)エルニーニョ现象
太平洋赤道域の日付変更线付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状态が1年程度続く现象です。数年おきに発生し、日本を含め世界中の异常な天候の要因となり得ると考えられています。
(注4)海洋热波
海洋热波とは、数日から数年にわたり急激に海水温が上昇する现象です。その発生频度は过去100年间で大幅に増加しており、海洋生态系に与える影响が危惧されています。

论文情报

掲載誌:Journal of Geophysical Research - Oceans
タイトル:
著者: Mochamad Riza Iskandar*, Yanli Jia, Hideharu Sasaki, Ryo Furue, Shinichiro Kida, Toshio Suga, Kelvin J. Richards
*責任著者:東北大学大学院理学研究科 大学院生(研究当時) Mochamad Riza Iskandar(モハマド?リザ?イスカンダル)
DOI: 10.1029/2022JC019610

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