Research Results 研究成果
ポイント
概要
九州?学?学院農学研究院の中島?輔特任助教、清?邦義准教授らの研究チームと協同組合 ?の家の健康を研究する会(代表理事 安成信次/㈱安成?務店 代表)による共同研究グループは、スギ材の?り成分が、?の脳が視覚的な変化を検出する際の脳機能を?めることを、脳波による神経?理学的実験によって明らかにしました。
近年、スギ材から挥発する?り成分が?にリラックス効果を与えることは复数の报告でわかってきていました。しかし知覚レベルで脳にどのような変化が起こっているかは未解明でした。
本研究では、天然スギ材を内装材に?いた部屋と、?材と?た?を似せた??调树脂系建材を内装材とした部屋を?意し、その中で被験者に数种类の単纯な刺激画像を连続的に?せながら脳波を测定しました。刺激画像に対する事象関连电位(※1)を解析した结果、画像の?度をわずかに変化させてまれに出现させた视覚刺激への被験者の脳内视覚野ニューロンによる変化への?动的な検出反応は、スギ内装材の部屋に滞在しているときの?が?きいことが分かりました。また、スギ内装材室の挥発性成分(?り成分)を调べた结果、セスキテルペン类(※2)の浓度が?いことがわかりました。このことから、スギ内装材から挥発する?り成分であるセスキテルペン类は、?た?のわずかな违いに対する「気づき」によって起こる脳の?动的な反応を?めることがわかりました。
今回の発?により、?材の?りが知覚レベルで脳机能を変化させる?端が明らかになり、?材から挥発する?りの脳科学的机能性解明の进展が期待されます。また、実?活のさまざまな居住环境、作业环境、各种?援?教育?トレーニング环境などにおける建筑材料への脳科学的机能性付加と?付加価値化につながることが期待されます。
本研究結果は、2023年3?30日12時30分(?本時間)にJournal of Wood Science 誌に掲載されました。
実験室内装と香り成分分析の结果(スギ内装材室ではセスキテルペン浓度が高かった。)
視覚的変化に対する頭皮上脳波マップ (マップ上の青い场所で、陰性電位が強い。傾き5度の視覚的変化に対する270-300 ms後の脳内ニューロンの自動的検出反応(視覚野陰性電位の振幅)は、スギ内装材室で大きかった。)
用语解説
(※1) 事象関連電位
見る、聞く、判断するなど、人にとっての知覚的?認知的なイベントが起きた瞬間を0 msecとして、そのイベント後の脳波の電位変化をミリ秒オーダーで解析することで、知覚機能および認知機能の脳内メカニズムの変化を解読する手法。
(※2) セスキテルペン類
3つのイソプレン単位から构成されている颁15の基本骨格を持つテルペン类の総称。乾燥スギ材の主要挥発成分として、δ-颁补诲颈苍别苍别、α-惭耻耻谤辞濒别苍别及び肠颈蝉-颁补濒补尘别苍别苍别などのセスキテルペン类が报告されている。
研究者からひとこと
脳を直接测ることで、木材や香りが持つ人への新たな脳への机能性がみつかっていくことに期待しています(中岛特任助教)
今回、无垢スギ材のよさの一端が、脳科学と分析化学の异分野融合研究により解明されました。脱炭素社会に寄与する木材活用の新たな展开に期待しています。(清水准教授)
论文情报
掲載誌:Journal of Wood Science
タイトル:Effects of volatile sesquiterpenes from Japanese cedarwood on visual processing in the human brain: an event-related potential study
著者名:Taisuke Nakashima, Minkai Sun, Akiyoshi Honden, Yuri Yoshimura, Toshinori Nakagawa, Hiroya Ishikawa, Jun Nagano, Yuki Yamada, Tsuyoshi Okamoto, Yuichiro Watanabe, Shinji Yasunari, Koichiro Ohnuki, Noboru Fujimoto, Kuniyoshi Shimizu
顿翱滨:10.1186/蝉10086-023-02083-4
研究に関するお问い合わせ先