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Research Results 研究成果

术前心电図から术后の心房细动発症を予测する础滨モデルを开発

~潜在的な心房细动の早期発见と治疗による心房细动患者の予后?蚕翱尝改善に期待~ 2023.02.22
研究成果Life & Health

ポイント

  • 心房細動 (※1)は左房内に血栓を形成し、脳梗塞を始めとした重篤な合併症の原因となる不整脈ですが、約半数の患者において心房細動による自覚症状がなく、また発症早期にはその出現も一過性であることから、しばしば診断が困難であり、心房細動罹患リスクを層別化する方法と新たな診断アプローチの確立が喫緊の課題です。
  • 手術後に生じる術後心房細動に着目し、術前に記録した非心房細動の心電図から術後心房細動の発症を予測する人工知能(artificial intelligence; AI, ※2)モデルの開発に成功しました。
  • 术后心房细动は长らく手术の身体的?精神的にストレスによる一过性の心房细动と考えられてきましたが、近年、术后心房细动は入院期间の延长のみならず、その后の心房细动や脳梗塞の発症リスクと関连していることが明らかになってきています。
  • 开発した础滨モデルを用いて术后心房细动の発症リスクを层别化、高リスク患者では周术期の心电図モニター管理を强化し、术后心房细动を适切に诊断することで、将来の心房细动および脳梗塞を始めとした合併症の早期诊断?治疗につながることが期待されます。

概要

 心房细动は不整脉の一种であり、様々なリスク因子に応じて心臓(左房内)に血栓を形成します。形成された血栓が游离し、脳血管を始めとした全身の血管に詰まることで脳梗塞を始めとした重篤かつ致死的な合併症を引き起こします。国内における有病率は70歳以上で3-4%とされ、高齢化社会とともにその罹患者数は増え続けています。これらの合併症は抗凝固疗法によって予防することが可能ですが、罹患患者の约半数は心房细动に関连する自覚症状がなく、発症早期にはその出现も一过性であることから、心房细动の早期诊断に関する新たな诊断アプローチの确立は喫紧の课题です。
 本研究により、术前心电図から术后心房细动の発症を层别化する础滨モデルの开発に成功しました。 九州大学病院の远山岳诗医员および井手友美诊疗准教授、九州大学医学研究院の池田昌隆助教らの研究グループは、2015年から2020年に九州大学病院において外科手术を受けた患者の术前心电図を対象に术后の心房细动の発症を予测する础滨モデルの开発を行いました。开発した础滨モデルにより、阳性的中率(※3)が10%(心房细动が术后に発症するリスクがあると予测した患者の10%に心房细动が発症)、阴性的中率(※4)が99%(心房细动が术后に発症しないと予测した患者では、100人中99人で心房细动が発症しない)と高い精度で术后心房细动の层别化が可能となりました。
 术后心房细动は一过性であり、日常での心房细动や合併症リスクとは関连しないと考えられてきましたが、近年、潜在的な心房细动や将来の脳梗塞リスクと関连していることが明らかとなってきています。本研究で开発した础滨诊断モデルを初期スクリーニングとして用いることで术后心房细动の発症リスクが高い患者の同定が可能です。高リスク患者においては、术后の心电図モニター管理を强化することで、无症状、または潜在的な心房细动を早期に诊断し、合併症を予防できることが期待されます。
 本研究成果は米国の科学誌「Circulation: Arrhythmia and Electrophysiology」に2023年2月21日(火)に掲載されました。

用语解説

(※1) 心房細動:加齢を始めとした様々な原因によって生じる心房での無秩序な電気活動に基づく不整脈。心房細動により有効な心房収縮が失われる結果、心房内での血液のうっ滞が生じ、血栓が形成される。形成された血栓は遊離し、脳梗塞を始めとした重篤かつ致死的な臓器の梗塞(臓器への血流途絶)を生じる。発症早期には一過性の心房細動(発作性心房細動)であるが、罹患期間が長くなるにつれ、持続性、慢性心房細動と心房細動が基本調律となっていく。このため、特に発症早期の発作性心房細動の診断は困難であり、脳梗塞などの合併症の発症を契機に診断されることも多い。
(※2) 人工知能(artificial intelligence; AI): 人間の知的な作業について、ソフトウェアを介して人工的に行わせる技術の総称。大量のデータを学習させることで、人間のように振る舞うことが可能になる。医療現場においては、質の高い診療のための支援ツールになることが期待されている。
(※3) 陽性的中率:検査で陽性と診断された人が、実際にその病気を罹患しているもしくは、今後罹患するかについて正しく診断できた割合のことをさす。陽性的中率が高い検査ほど信頼が高い検査であり、確定診断に有用である。
(※4) 陰性的中率:検査で陰性と診断された人が、実際にその病気を罹患していないもしくは、今後罹患しないことについて正しく診断できた割合のことをさす。陰性的中率が高い検査ほど信頼が高い検査ということになる。陰性的中率が高い検査は、病気でないことをきちんと診断できるため、スクリーニング検査に有用である。

论文情报

掲載誌:Circulation: Arrhythmia and Electrophysiology
タイトル:
著者名:Takeshi Tohyama, Tomomi Ide, Masataka Ikeda, Takuya Nagata, Koshiro Tagawa,Masayuki Hirose, Kouta Funakoshi, Kazuo Sakamoto, Junji Kishimoto, Koji Todaka,Naoki Nakashima, Hiroyuki Tsutsui
顿翱滨:10.1161/颁滨搁颁贰笔.122.011579

研究に関するお问い合わせ先

九州大学病院ARO次世代医療センター 遠山 岳詩 医員