Research Results 研究成果
九州大学大学院医学研究院の国﨑祐哉助教とアルバート?アインシュタイン医科大学(米国)の共同研究グループは、骨などの元になる间叶系干细胞も遗伝子やタンパクの発现パターンにより分类することができ、更にこれらは异なるサイトカイン(造血干细胞を维持するための物质)を产生していることを世界で初めて明らかにしました。すなわち、生体内における干细胞の复雑な维持机构の一端を解明したと言えます。
干细胞は、生物のあらゆる细胞、臓器を形成する能力をもつ细胞です。生物は、発生初期の一つの细胞つまり干细胞から生まれます。近年の研究により胎児期だけでなく成人のあらゆる臓器にも、その臓器を再生する能力がある「臓器特异的干细胞」の存在がわかってきました。これらの细胞は、生涯にわたって无限に増殖する能力を维持しており、通常その増殖は厳格な制御をうけ、多くの细胞は「眠った状态」で存在し、臓器が伤害を受けた时など必要に応じて増殖し、分化します。干细胞は、特殊な环境下でのみ「眠った状态」のままでいることができ、その环境(すみか)が「ニッチ」と呼ばれています。
我々の血液にも、赤血球、白血球、血小板といったすべての血液细胞を作る元になる细胞が存在し、「造血干细胞」と呼ばれています。造血干细胞は、骨髄に主に存在しており、骨などの元になる间叶系干细胞がその「ニッチ」细胞として知られておりましたが、その详细なメカニズムは、わかっておりませんでした。今回のこの発见は、造血干细胞の効率的な増幅法の开発、ひいては再生医疗の加速に贡献すると期待されます。
本研究成果は、2017年2月20日(月)午後4時(英国時間)に「Nature Cell Biology」電子版に公開されました。
「造血幹細胞ニッチ」を構成する間葉系幹細胞は、その分布と発現タンパクよりNG2陽性細胞とレプチン受容体陽性細胞に大別される。これらの細胞は各々がCXCL12、SCF(Stem cell factor)とサイトカインを産生し、異なる「すみか」を形成している。
交通、通信の発达に伴い、日本国内だけでなく世界中との共同研究が可能となっています。2014年にアメリカより帰国后、このような成果を発表することができ、研究における人脉の大切さを実感しています。