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Research Results 研究成果

五岛列岛の形成史を明らかに

日本海拡大直前のユーラシア大陆极东地域にアンデス山脉があったか? 2022.10.31
研究成果Physics & Chemistry

ポイント

  • 五岛列岛はユーラシア大陆との関连性が最も详细に残される地域だが、1960年代以降の详细な地质调査记録がなく、ユーラシア大陆との関係が不明だった。
  • 今回、五岛列岛についての详细な地质调査を行い、日本海拡大以前のユーラシア大陆縁辺部の陆弧の状态が日本国内に残っていることを初めて具体的に示した。
  • 今后、五岛列岛の地层を基础に陆上堆积物の堆积高度の変化を明らかにする方法を模索し、古太平洋が沉み込む东ユーラシア大陆の状态の復元を目指す。
 

概要

五岛层群が分布する断崖(図1)

五島列島は日本列島で最もユーラシア大陸に近い场所に位置し、ユーラシア大陸との関連性が最も詳細に残される地域です。四方を海に囲まれる島々は、荒波にもまれて広く岩石が露出し、高精度の地質記録が詳細に残る希な场所になっています。しかし、1960年代以降の詳細な地質調査記録がなく、島全体の大地(地質記録)を統合的に考察していなかったため、ユーラシア大陸との関係は不明でした。
 五島列島は、日本海拡大前にはアンデス山脈の様な沈み込みに伴う陸弧であり、それが拡大して大地が割れ、北部ですでに形成していた日本海に、大陸の割れ目をつたって大量の土砂を供給していた场所であることが明らかになりました。
 九州大学大学院理学研究院の清川昌一准教授の研究グループは、学生らとともに2004年から五岛列岛(五岛市および新上五岛町全体)についての详细な地质调査を行い、地质図、断面図、柱状図を作成しました。また、様々な年代测定を行い、地层がいつ堆积したか推定しました。これにより、五岛列岛を形成する基盘である五岛层群が约2200万年から1700万年前の间に堆积し、それらが火山活动の合间に2回の大きな伸张(※1)作用による地殻変动を経て现在に至ることを明らかにしました。
 この成果は、日本海拡大以前のユーラシア大陆縁辺部の陆弧の状态が日本国内に残っていることを具体的に示した初めての例になります。海洋プレートが大陆プレートに沉み込むときに、陆侧縁辺部で起こる大地の割れていく様子の一般的な例として注目に値します。
 本研究成果は日本地質学会が発行する国際誌「Island Arc」に9月17日よりオープンアクセスで掲載されています。

五島列島の地質図(図2)五島列島の地質調査により、日本海拡大以前のユーラシア大陸の縁辺部の様子が明らかになった。緑色の部分は、アンデス山脈のような火山岩類と湖の场所。黄色は黄河や揚子江の末端部を示す大河の後。紫色はその後の火山活動を示す。5つの島は断層によって区切られているので、島ごとの地質が違っている。

用语解説

(※1) 伸張場…地殻が割れて引き延ばされていく场所
(※2) 火山弧…海洋プレートが沈み込むことでできる火山の列からなる地域。弧状になることが多いため、弧という。日本列島は島国なので島弧と呼び、アンデスのように大陸地殻の端は陸弧と呼ぶ。

论文情报

掲載誌:Island Arc
タイトル:
著者名:Shoichi Kiyokawa, Masaru Yasunaga, Takanori Hasegawa, Ayako Yamamoto, Daisaku Kaneko, Yuta Ikebata, Noriko Hasebe, Yukiyasu Tsutsumi, Mami Takehara, Kenji Horie
DOI: 10.1111/iar.12456

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