Research Results 研究成果
九州大学大学院工学研究院の戸田裕之主干教授と新日铁住金株式会社技术开発本部鉄钢研究所の东昌史主干研究员らの共同研究グループは、大型シンクロトロン放射光施设厂笔谤颈苍驳-8での4顿観察を活用し、自动车の钢板などとして広く使われているハイテンの一种である顿笔钢の破壊メカニズムを解明しました。顿笔钢は、既に自动车用として使われているものの、その内部组织の复雑さにより、破壊のプロセスはよく分かっていませんでした。研究グループが顿笔钢の破壊过程を4顿観察した结果、3次元的に复雑に络み合う复雑な组织のうち、特定のサイトで遅れて生じた空隙がその后、急速に伸长して连结することで、钢板自体の破壊が生じることがわかりました。この破壊メカニズムを考虑して顿笔钢を设计することで、より强く、より成形性に优れた钢板の作成が可能となることが期待されます。また、顿笔钢よりさらに复雑な组织、そしてさらに微细な组织を有する先进鉄钢材料の评価や开発にも、一连の评価解析技术が有効になるものと期待されます。
本研究成果は、2017年1月6日付けで、金属材料工学分野で最も権威のある英文誌『Acta Materialia』のオンライン版で公開されました。また、2017年3月1日(水)発行の第126巻に掲載される予定です。
顿笔钢の破壊プロセスを厂笔谤颈苍驳-8で颁罢を利用して4顿観察した结果。23.9%ほど引っ张った时に高密度な空隙(赤色)が発生し、このうち、几つかのものが急激に成长し、材料全体が破壊に至るプロセスが示されています。斜めに伸びた空隙が破壊を支配しています。この図では、鉄钢を透明にし、内部の损伤のみを表示しています。
図3の中で见られる大きな空隙(赤色)と、その空隙をもたらしたマルテンサイト(黄色および灰色)を示したもの。もともと一つだったマルテンサイトが、くびれた部分で破壊し、空隙が生じています。右の図は、同じ部分を横から见た図です。くびれて非常に薄くなった部分が优先的に折れていることが分かります。
别の部分のマルテンサイト(左図)。非常に细くくびれて折れやすくなっているところがあります。左図のカラーは、表面の凹凸の様子を数値にしたものです。ここから、右図のようにくびれて折れた部分のマルテンサイトには、顿笔钢に与えた负荷の5倍にも达する大きな负荷がかかり、破壊に至ることが分かります。
近年、输送用机械の効率化?軽量化のニーズが大きくなり、鉄钢やアルミニウム等の构造材料の研究が再び脚光を浴びています。この研究は、そのための先端分析计测技术の开拓や工业利用に関するものです。世界最高の実験施设厂笔谤颈苍驳-8を有効に活用することで、他国ではまねできない研究ができ、我が国の产业に贡献できると期待しています。