Research Results 研究成果
ポイント
概要
2016年4月の自杀対策基本法の改正により、すべての都道府県と市町村に自杀対策计画の策定が义务付けられました。计画策定のガイドラインには、市町村と都道府県の连携の必要性が明记されています。
香田(九州大学)、近藤(千叶大学、国立长寿医疗研究センター)、髙桥(国立长寿医疗研究センター)、尾岛(浜松医科大学)、篠崎(东京理科大学)、市川(芝浦工业大学)、原田(冈山大学)、石田(宫崎大学)の研究グループは、その自杀対策计画の基础资料となる自杀の地域格差を可视化しました。
一般に市町村で自殺死亡の高低を評価する際には、自殺死亡率や標準化死亡比(standardized mortality ratio: SMR)(※1)という指標が用いられますが、人口規模の小さい地域では変動が大きくなることが知られています。本研究では、階層ベイズモデル(※2)という手法で、2009?2018年の自殺統計資料から人口の影響を小さくしたSMRを算出しました。政策単位(市町村、二次医療圏、都道府県)間の見え方の違いを検証し、都道府県単位のみで評価すると見落としかねない自殺の多い/少ない地域を明らかにしました。
本研究结果をもとに、それぞれの地域で自杀のリスク要因や保护要因を比较?分析するきっかけになることや、市町村は地域の特性に応じた自杀対策を推进し、都道府県は地域格差を把握し二次医疗圏など市町村の圏域を越えた地域との连携协力を発展する役割を果たすことが期待されます。
本研究成果はアメリカ合衆国の雑誌「PLOS Global Public Health」に2022年8月16日(火)に掲載されました。
用语解説
(※1) 標準化死亡比(standardized mortality ratio: SMR)
???単纯な自杀死亡率では、その地域の年齢分布のばらつきが调整されていません。标準化死亡比は年齢调整の一つの方法で、全国の年齢别の自杀死亡割合と当该地域の年齢别人口から想定される自杀死亡者数を算出し、実际の自杀死亡者数と比べたもので、自杀の高低の指标として用いられます。
(※2) 階層ベイズモデル
???标準化死亡比は、人口が多い地域と少ない地域では推定値の误差が大きく异なり、人口の异なる地域间の比较には适していない指标であることが分かっています。その问题を解决する方法の一つとして阶层ベイズモデルがあり、人口による误差の影响を小さくすることで、より正确に地域间の比较を行っています。
论文情报
掲載誌:PLOS Global Public Health
タイトル:著者名:Masahide Koda*, Katsunori Kondo, Satoru Takahashi, Toshiyuki Ojima, Tomohiro Shinozaki, Manabu Ichikawa, Nahoko Harada, Yasushi Ishida
顿翱滨番号:10.1371/箩辞耻谤苍补濒.辫驳辫丑.0000271
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