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Research Results 研究成果

今世纪初头から九州地方の梅雨に準4年変动が顕在化

~近年の豪雨灾害激甚化の背景が明らかに~ 2022.07.25
研究成果Physics & Chemistry

ポイント

  • 线状降水帯等による甚大な豪雨灾害が九州地方中心に近年频繁に発生しています。减灾?防灾の観点から近年の豪雨频発の背景の解明が求められています。
  • 本研究で、梅雨期の降水量が最も多い九州南部を中心に、今世纪初头から降水量の年々変动が大きくなり準4年変动(4年前后の周期変动)が顕在化していることを初めて见出すと共に、その主要因を明らかにしました。
  • 梅雨は1980~90年代の安定期から今世纪に入って不安定期に移行しており、数十年规模の大気海洋変动が近年の豪雨频発の背景にあることがわかりました。気候システムの自然変动の影响を正确に把握することが、逆に地球温暖化の影响を客観的に评価することにも繋がります。

概要

 近年梅雨期において九州地方を中心に、线状降水帯が関係する甚大な豪雨灾害が频発しています。ところが、なぜ豪雨灾害の激甚化を思わせるような豪雨が近年频発しているのかよくわかっていませんでした。本研究で、九州大学大学院理学研究院所属、日本学术振兴会特别研究员の藤原圭太氏(研究当时)と同大学院理学研究院川村隆一教授は、高精度の降水量推定を可能にした最新の卫星全球降水マップ(骋厂惭补笔)を用いて梅雨期の総降水量の近年の変动倾向を调査したところ、梅雨期降水量が最も多い九州南部を中心に、今世纪に入ってから総降水量が年によって大きく変动しており、準4年変动が顕在化していることを初めて明らかにしました。
 また他の卫星観测データや気象庁アメダス降水量データも併用した结果、梅雨期降水量の年々変动は1980~90年代の安定期から今世纪に入って不安定期に移行していることもわかりました。なぜ今世纪初头から準4年変动が顕在化したのかその要因を探ったところ、热帯インド洋と西太平洋间の东西铅直循环に関连した热帯の远隔影响が梅雨を変动させる可能性は従来から指摘されていましたが、その远隔影响が数十年规模で変调していることが主要因の一つであることが见出されました。これらの知见は豪雨被害を軽减するための梅雨降水量の中长期予测の精度向上に资することが期待されます。また梅雨期における豪雨発生频度や强度の将来予测の信頼性を高めるためには、热帯インド洋?太平洋の数十年规模の大気海洋変动の动态とその予测可能性を详しく调べていく必要があります。
 本研究成果は,2022年7月25日(月)に国際学術誌「Scientific Online Letters on the Atmosphere」にオンライン掲載(早期公開)されました。また本研究はJSPS科研費補助金(JP19H05696, JP20H00289)の助成を受けました。

(补)九州地方のアメダス降水量観测地点。九州南部の地点を赤丸で示す。(产)九州南部で领域平均した梅雨期(6-7月)の総降水量の年々変动。陆上観测点のみでも近年の準4年変动が明瞭である。

论文情报

掲載誌:Scientific Online Letters on the Atmosphere
タイトル:
著者名:Keita Fujiwara, Ryuichi Kawamura
顿翱滨:10.2151/蝉辞濒补.2022-029

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