Research Results 研究成果
ポイント
概要
メダカ(メダカ科鱼类)は日本でも有名な鱼のひとつですが、日本にはミナミメダカとキタノメダカの2种が生息しています(前者が本州の太平洋侧?中国、四国、九州、琉球列岛に、后者が兵库県以北の本州の日本海侧?青森県太平洋侧に大きく2つに分かれて分布)。しかしながら、実は世界では30种以上が知られていて、インドネシアのスラウェシ岛にはそのうちの20种ものメダカが生息しており、メダカの多様性のホットスポットとして知られています(図1左)。またその多く(15种)は、岛の中央部に点在する古代湖群に固有で、湖沼性の种であることもこの岛のメダカの特徴となっています。一方、この岛の中央部からは、河川に生息するメダカはこれまでに1种(ドピンドピンメダカ:下记参照)しか报告されていませんでした。
琉球大学理工学研究科の大学院生のイルハム?ウタマ氏、熱帯生物圏研究センターの山平寿智教授、龍谷大学の永野惇教授、九州大学の楠見淳子准教授、そして東山動植物園の世界のメダカ館らの共同研究チームは、スラウェシ島中央部のチェレカン川の上流(図1右)で河川性のメダカを発見し、新種として記載しました。学名は、採集地の村の名前にちなんで、ランダンギメダカ(学名:オリジアス?ランダンギエンシスOryzias landangiensis)と名付けられました。この新種は、最も近縁のドピンドピンメダカ(学名:オリジアス?ドピンドピンエンシスOryzias dopingdopingensis)に比べ、(1)胴部が長く、(2)体高が低いなどの特徴で区別されます(図3)。ゲノム上の8,854遺伝子座の塩基配列の情報からも、これら2種は遺伝的にも大きく分化した完全な別種であることがわかりました。
&苍产蝉辫; 兴味深いことに、ランダンギメダカが生息するチェレカン川と、ドピンドピンメダカが生息するドピンドピン川は、河口域で接する一つの水系に属する河川です(図1右)。つまり、ランダンギメダカとドピンドピンメダカは、河口域を介して2つの川を往来できる状况に理论的にはあります。にもかかわらず、これら2种は、5万年以上もの间ほぼ交雑していないことが、8,854遗伝子座の塩基配列情报を用いた集団动态履歴の推定で明らかになりました。5万年前というと、海水面が100メートル以上も下がったとされる、最终氷期最盛期(2万6千年?1万9千年前)よりはるか昔です。海水面が100メートル下がれば2つの河川は淡水域で接続していたでしょうから、现在の接続部に広がる汽水域が、ランダンギメダカとドピンドピンメダカの往来を妨げるバリアになっているとは考えられません。
5万年前というと、我々ホモ?サピエンスがアフリカから出てきたかこないかの时期に相当します。チェレカン川とドピンドピン川という目と鼻の先ほどの距离にいる2种のメダカの往来を、そんなにも长い间妨げてきたものは一体何でしょうか?それを明らかにすることよって、この岛にメダカ科鱼类の多様性のホットスポットが形成された谜に迫れるものと期待されます。
论文情报
タイトル:
雑誌名:Molecular Phylogenetics and Evolution
著者:Ilham V. Utama, Ixchel F. Mandagi, Sjamsu A. Lawelle, Kawilarang W. A. Masengi, Keiichi Watanabe, Naomi Sawada, Atsushi J. Nagano, Junko Kusumi, Kazunori Yamahira
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