Research Results 研究成果
ポイント
概要
広島大学大学院先進理工系科学研究科のPan Da大学院生、三浦弘之准教授、九州大学大学院人間環境学研究院の神野達夫教授、重藤迪子助教および中国電力株式会社の阿比留哲生らによる研究グループは、人工知能(AI)技術のひとつである深層ニューラルネットワークを用いて、地盤の微動データから地震時の地盤増幅特性を自動的かつ高精度に推定する技術を開発しました。
本技术により、ボーリング调査や长期间の地震観测を実施することなく、普段の揺れを単点で计测するだけで简便に地盘増幅特性を得ることができるため、将来の地震に対して精度の高い强震动予测が可能になるものと期待されます。
本研究成果をまとめた論文が、米国地震学会の学術雑誌「Bulletin of the Seismological Society of America (BSSA)」に採択され、2022年4月5日に米国地震学会のライブラリにオンライン掲載されました。
惭贬痴搁から地盘増幅特性を推定する深层ニューラルネットワークの模式図
用语解説
*1 微动:地盘は风や波浪などの自然活动、交通振动や工场などの人间活动の影响を受け、地震がなくても普段から非常に小さい振幅(髪の毛1本分程度)で揺れており、この揺れは微动と呼ばれています。微动は机材さえあればいつでもどこでも计测可能であることから、地盘の特徴を简便に把握するために用いられています。
*2 地盘増幅特性:周波数と増幅率の関係を表します。増幅率は、地震波(ここでは厂波)の振幅が地震基盘と呼ばれる硬质な基盘から地表面まで伝播する间に増幅される度合いを表します。地盘増幅特性は揺れやすさとも呼ばれ、局所的に大きく変化する场合もあることから、きめ细かな强震动予测を実施するには不可欠な情报となっています。
*3 深层ニューラルネットワーク:础滨技术のひとつであり、深层学习とも呼ばれます。人间の神経细胞を模した多数の処理层を通して、あらかじめ与えたデータに対して顺伝播と逆伝播を何度も繰り返し学习させることで、正解となるデータを精度良く再现するモデルを表します。近年では、代表的な础滨技术として、画像认识や音声认识などの分野で幅広く利用されています。
论文情报
论文题目:
著者:Pan Da1、 三浦 弘之1、 神野 達夫2、 重藤迪子2、 阿比留哲生3
1: 広島大学 大学院先進理工系科学研究科 建築学プログラム
2: 九州大学 大学院人間環境学研究院 都市?建築学部門
3: 中国電力株式会社 管財部門
掲載雑誌:Bulletin of the Seismological Society of America
DOI: https://doi.org/10.1785/0120210300
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