Research Results 研究成果
遺伝性疾患はゲノムの特定の场所の変異によって起こります。特にゲノム中で重要な機能を担っている部分を壊す変異が原因となることが多く、様々な遺伝性疾患について原因変異が多数同定されてきました。しかし、明らかに遺伝性疾患の症状を呈する患者さんのゲノムを調べても、原因となる変異が見つかる確率は50%ほどしかなく、診断率が低いことが問題になっていました。
九州大学生体防御医学研究所の须山干太教授と同大学大学院システム生命科学府の坂口爱美大学院生は、この问题を解决するため、これまで注目されてこなかった「机能を担っていないゲノム领域」に焦点を当て、そこに余计な机能を作り出す変异の探索を情报解析技术を駆使して行いました。その结果、遗伝性疾患との関连が知られている约4,000个の遗伝子内に、これまで知られていなかった3,942个もの原因候补変异を同定することに成功しました。一度にこれほど多くの変异が报告されるのは初めてです。
今回の成果は、遗伝性の希少疾患の诊断率向上に贡献するとともに、これらの変异をターゲットにした核酸医薬品による治疗の可能性につながるものです。
本研究成果は、2022年3月18日に英国の国際学術誌「npj Genomic Medicine」にオンライン掲載されました。
左は正常な遗伝子。中央はこれまでに见つかってきた疾患原因変异(赤色)。右は今回新たに発见した変异。遗伝子の长さの変化(黄色)により本来の机能を损なう。
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着者名: | Narumi Sakaguchi and Mikita Suyama |
掲载誌: | npj Genomic Medicine (Nature Publishing Group) |
顿翱滨: | 10.1038/蝉41525-022-00294-0 |