Research Results 研究成果
公立はこだて未来大学の田中吉太郎准教授と九州大学の落合启之教授、北海道大学の栄伸一郎教授の共同研究グループは、数値解析分野における一つの数値解法の理论的な里付けをするのに成功しました。本グループは、円领域上の修正ヘルムホルツ方程式の近似解を基本解近似解法という方法を用いて构成し、真の解に指数的に収束することを示しました。今回の修正ヘルムホルツ方程式はノイマン型の境界条件が课されており、この问题に対する基本解近似解法の解の构成と、特に指数収束の数学的结果は世界初です。
図 1:選点と拘束点の模式図
図2:选点の数に対する近似解と厳密解の误差。縦轴は対数スケールで表示されている。
用语説明
(※1) 修正ヘルムホルツ方程式
偏微分方程式の一つ。未知変数をuとし、αを定数とすると、Δu – α u = 0で与えられます。Δはラプラシアンと呼ばれる微分演算子です。
(※2) 基本解近似解法
有界领域上の偏微分方程式に対して、その偏微分方程式の基本解という解を用いて近似解を构成する方法の一つです。&苍产蝉辫;
(※3) 近似解
方程式の真の解ではないが、真の解に近い解のことです。
(※4) 偏微分方程式の数値解法に差分法や有限要素法などがありますが、これらの解法は、空間の格子数(メッシュ数)に対して、格子数の冪乗の逆数等のオーダーで収束することが知られています。基本解近似解法の指数的収束はこのオーダーよりも圧倒的に早く、つまり近似の精度が圧倒的に良いことを意味します。
(※5) ノイマン型境界条件
境界上で未知変数の导関数に値を课す条件のことです。
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着者名: | &苍产蝉辫;栄伸一郎、落合启之、田中吉太郎 |
掲载誌: | Journal of Computational and Applied Mathematics |
顿翱滨: | 10.1016/箩.肠补尘.2021.113795 |