Research Results 研究成果
社会的ひきこもりは6ヶ月以上自宅にとどまり続ける状态であり、ひきこもり状况にある人(以下、ひきこもり者)は国内110万人を越えると推定され、その予防法?支援?治疗法の确立は国家的急务です。九州大学病院では世界初のひきこもり研究外来を立ち上げており、ひきこもりの生物?心理?社会的理解に基づく支援法开発をすすめています。
今回、日本医療研究開発機構 (AMED)等の支援により、九州大学病院検査部の瀬戸山大樹助教?康東天教授と同病院精神科神経科の加藤隆弘准教授?松島敏夫大学院生?中尾智博教授?神庭重信名誉教授らの研究チームは、ひきこもり者の血液中の代謝物や脂質の測定により、ひきこもりに特徴的な血液バイオマーカーを発見しました。未服薬のひきこもり者(42名)と健常ボランティア(41名)の臨床データおよび血液データ(一般生化学検査値およびメタボローム?リピドーム解析による血中代謝物)を用いて比較検証を行いました。臨床データと血液データをもとに、機械学習モデルを作成し、ひきこもり者と健常ボランティアの識別、ひきこもり重症度予測を行ったところ、長鎖アシルカルニチン濃度がひきこもり者で有意に高く、ビリルビン、アルギニン、オルニチン、血清アルギナーゼが男性ひきこもり者において健常ボランティアと有意差を認めました。ランダムフォレストによる判別モデルを作成したところ、ひきこもり者と健常ボランティアの識別ROC曲線下面積が0.854(機密区間0.648-1.000)と高い性能を示しました。
ひきこもりは、オックスフォード辞书でも「丑颈办颈办辞尘辞谤颈」と表记されており、日本発の社会现象として世界的にも认知されており、コロナウィルスパンデミックに伴って世界中に丑颈办颈办辞尘辞谤颈者が急増していると悬念されます。この研究は、日本人のひきこもり者を対象とした客観的指标(血液成分のバイオマーカー)に関する报告です。今后、ひきこもりの生物学的理解がすすみ、栄养疗法としての予防法?支援法の开発が期待されます。
本成果は2022年6月1日(水)に、国際学術誌「Dialogues in Clinical Neuroscience」に掲載されました。
血液メタボロームと临床データを使い、ひきこもり者に特徴的なバイオマーカーの探索を行った。机械学习アルゴリズムを作成し、健常者とひきこもり者の分类、ひきこもり者の重症度予测、およびひきこもり者の层别化を高い精度で実施できることがわかった。
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着者名: | Daiki Setoyama, Toshio Matsushima, Kohei Hayakawa, Tomohiro Nakao, Shigenobu Kanba, Dongchon Kang, Takahiro A. Kato |
掲载誌: | Dialogues in Clinical Neuroscience |
顿翱滨: | 丑迟迟辫蝉://诲辞颈.辞谤驳/10.1080/19585969.2022.2046978 |