Research Results 研究成果
私たちの口腔には无数の细菌が生息しています。この口腔细菌はう蚀(むし歯)や歯周病の原因として古くから知られていますが、最近では呼吸器や消化器など全身の疾患とも関係することが分かってきました。そのため、口腔细菌がどのように口腔に定着していくのか、その过程を理解し制御することで様々な疾患を予防できるようになると期待されています。これまでの研究から、口腔には生后6週顷までに口腔固有の细菌が生息し始め、そこから次々と多种多様な细菌が定着していくことが分かっていますが、それらの细菌の主要な供给源と考えられている母亲の口腔细菌の定着量や役割については十分に解明されていません。
今回、九州大学大学院歯学研究院口腔予防医学分野の影山伸哉助教、山下喜久教授らの研究グループは、乳児と母亲の口腔细菌がどれくらい共有されているかを调べ、それが乳児の栄养方法と强く関连することを明らかにしました。
本研究グループは、福冈市东区の4か月児健诊を访れた乳児とその母亲448组の口腔细菌を高精度に调べ、その関係性について検讨しました。その结果、ほとんどの乳児の口腔から自分の母亲由来の口腔细菌が検出され、无関係の母亲と比べて自分の母亲とより多くの口腔细菌を共有していました。このことから、母亲の口腔细菌が乳児の口腔に移行していることが示唆されました。一方で、母亲に由来する口腔细菌の构成割合は、母乳で育てられている乳児より人工乳で育てられている乳児で有意に高くなっていました。これは、栄养方法によって母亲由来の口腔细菌の定着がコントロールされる可能性を示唆しています。今回得られた结果は、母亲由来の口腔细菌の早期定着が子どもの健康に与える影响を解明するための基盘データとなることが期待されています。
本研究成果は2022年1月18日付けで米国微生物学会が発行するオンライン学术誌「尘叠颈辞」に掲载され、同学会のプレスリリースでも取り上げられました。本研究は闯厂笔厂科研费&苍产蝉辫;
(闯笔20碍18808、闯笔20贬03901、闯笔19碍22722、闯笔19贬03863)の助成を受けたものです。
乳児の口腔における母亲由来口腔细菌の比率
母亲由来口腔细菌の比率は、0%からほぼ100%と各乳児で大きな幅があった(上図)。
母亲由来口腔细菌の比率は、母乳栄养児と比较して人工乳栄养児で有意に高かった(下図)。
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着者名: | Shinya Kageyama, Michiko Furuta, Toru Takeshita, Jiale Ma, Mikari Asakawa, Yoshihisa Yamashita |
掲载誌: | mBio |
顿翱滨: | 10.1128/mbio.03452-21 |