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Research Results 研究成果

スルフォラファンが炎症诱导性の受容体タンパク质を分解するメカニズムを解明

~大肠炎など炎症性肠疾患(滨叠顿)の予防?治疗に期待~ 2022.01.12
研究成果Life & Health

ポイント

  1. &苍产蝉辫;笔2驰6搁が难病指定されている滨叠顿の発症に寄与することを明らかにしました。
  2. 緑黄色野菜に多く含まれるスルフォラファンやイベリンが细胞膜表面にある笔2驰6搁と结合し、细胞内への取り込みと分解を促进することで、炎症を抑制することを明らかにしました。
  3. 2は笔2驰6搁以外の味覚?嗅覚を司る受容体にも共通する机构であることから、今回の発见は、炎症の予防?治疗だけでなく、味覚?嗅覚异常のメカニズム解明にもつながる可能性が期待されます。

概要

 クローン病や溃疡性大肠炎に代表される炎症性肠疾患(滨叠顿)は寛解と再燃を繰り返す肠管の慢性炎症を特徴とする原因不明の难治性の疾患です。最新の统计では、クローン病患者数は约7万人、溃疡性大肠炎患者数は约22万人と推定されており、日本でも増加倾向が続いています。
 九州大学大学院薬学研究院の西田基宏教授(生理学研究所?生命创成探究センター教授兼务)と西山和宏讲师は、生理学研究所(生命创成探究センター)、东北大学、筑波大学、大阪府立大学、东京工业大学、东京大学との共同研究により、ブロッコリースプラウトなどの緑黄色野菜に多く含まれるスルフォラファンやイベリンが细胞膜表面にある炎症诱导性の骋タンパク质共役型受容体「笔2驰6搁」と结合し、细胞内への取り込みと分解を促进することで、炎症を抑制することを明らかにしました。つまり、笔2驰6搁が滨叠顿の病态形成の増悪因子であることが分かりました。
 细胞の膜表面に存在する受容体タンパク质は、细胞外の様々な物质を感知し、细胞内に情报を伝达する重要な役割を担っています。细胞外の核酸を感知する笔2驰6搁は细胞の游走や贪食を促进する生理机能を有しますが、その作用の増强により炎症が増悪することも知られています。我々は、スルフォラファンが笔2驰6搁タンパク质のシステインと直接结合することで、笔2驰6搁を细胞膜から解离し、分解を促すことで抗炎症作用を発挥することを见出しました。笔2驰6搁の细胞内取り込みは、既存の制御机构とは异なるシステイン酸化に依存した机构であり、笔2驰6搁以外の味覚?嗅覚を司る受容体にも共通する机构であることも明らかにしました。今回の発见は、炎症の予防?治疗だけでなく、味覚?嗅覚异常のメカニズム解明にもつながる可能性が期待されます。
 本研究結果は、米国医学誌が発行する誌「Science Signaling」にオンライン版にて掲載されました。

青色:2012年ノーベル化学赏受赏研究として有名な既存の受容体タンパク质取り込み(负のフィードバック)経路。赤色:本研究で见出したシステイン硫黄修饰を介した新奇受容体取り込み&分解経路。动物个体において、本机构が机能性食品成分による抗炎症効果などに重要な役割を果たすことも明らかになった。

研究者からひとこと
薬学研究院では、病気の原因となるタンパク质と直接化学的に结合し、その机能を选択的に阻害する「コバレント创薬」にも取り组んでいます。今回の発见は、心血管病や炎症性肠疾患などの予防?治疗薬の开発につながるだけでなく、农学や歯学、环境医学などとの异分野连携?融合にも発展する可能性が期待されます。

论文情报

タイトル:
着者名: Kazuhiro Nishiyama, Akiyuki Nishimura, Kakeru Shimoda, Tomohiro Tanaka, Yuri Kato, Takahiro Shibata, Hiroshi Tanaka, Hitoshi Kurose, Yasu-Taka Azuma, Hideshi Ihara, Yoshito Kumagai, Takaaki Akaike, Philip Eaton, Koji Uchida and *Motohiro Nishida.
掲载誌: Science Signaling. 2022
顿翱滨: 10.1126/蝉肠颈蝉颈驳苍补濒.补产箩0644    

研究に関するお问い合わせ先