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Research Results 研究成果

治疗抵抗性うつ病の症状を改善させる新しい治疗法「谤罢惭厂」で脳活动が変化する様子を解明!

~谤罢惭厂治疗のバイオマーカーへの応用に期待~ 2022.01.05
研究成果Life & Health

 うつ病は、抑うつ気分や意欲の低下、不眠?食欲不振などが现れ、日常生活に支障をきたす精神疾患です。通常は薬物疗法と休养が効果的ですが、适切な服薬と休养を一定期间続けても効果が表れない场合「治疗抵抗性うつ病」に该当するとされます。日本における治疗抵抗性うつ病患者は、うつ病全体(推定695,000人)の约3割の约208,500人と推定され、社会全体にとっても大きな问题です。
 九州大学大学院医学系学府の三笘良大学院生、大学院医学研究院の田村俊介特任助教、九州大学病院精神科神経科の平野羊嗣講師らの研究グループは、佐賀大学医学部附属病院精神神経科の立石洋講師と門司晃教授らとの共同研究において、治療抵抗性うつ病に対する反復経頭蓋磁気刺激(repetitive Transcranial Magnetic Stimulation: rTMS)(※1)治療後の抑うつ症状や認知機能の改善に一致して、脳活動が変化することを、通常診療で用いる脳波計を用いて明らかにしました。
 本研究では、谤罢惭厂治疗后に、磁気刺激部周辺では高周波の神経振动の出现量(パワー)が増加しただけでなく、刺激周辺部から他の领域への机能的结合(※2)も増加することを明らかにしました。これは谤罢惭厂治疗により、うつ症状が改善するだけではなく、うつ症状の背景にある脳内の神経ネットワークも改善したということを意味しております。また、先行研究では、コストのかかる脳磁図计や高密度脳波计を利用していたのに対し、本研究ではより简易な方法で谤罢惭厂治疗后の脳活动の変化を评価することに成功しました。本研究の结果は、谤罢惭厂の効果に神経生理学的な根拠を与えるだけでなく、脳波计测と组み合わせた适切な治疗プロトコルの构筑に寄与するものと考えられます。
 この研究成果は、2022年1月3日に、米国医学雑誌 『Journal of Affective Disorders Reports』 オンライン版に掲載されました。また、本研究は、JSPS科研費(【JP20K07974?JP21H02851】)および、国際共同研究加速基金(【JP20KK0193】)の支援により行われました。

谤罢惭厂后に磁気刺激箇所に近い脳波电极において30贬锄以上の高周波数パワーが増加している
(青:rTMS治療前, 赤:rTMS治療後)

谤罢惭厂治疗によって、刺激部位である左半球の线で结んだ脳波电极间において、
机能的结合が変化していることがわかる

用语解説

(※1) 反復経頭蓋磁気刺激rTMS:パルス磁場による誘導電流で特定部位の神経細胞を繰り返し刺激して、うつ病によるうつ症状を改善させる治療法。

(※2) 機能的結合:脳領域間における神経活動の同調の程度

研究者からひとこと
谤罢惭厂は、既存の抗うつ薬で十分な効果が认められない「治疗抵抗性うつ病」のうつ症状を改善させる侵袭性の低い新しい治疗法で、30?40%の患者さんの症状が改善すると言われています。现在、日本国内で谤罢惭厂を採用している病院は多くありませんが、今回の结果を踏まえてより谤罢惭厂が活用されることが期待されます。

论文情报

タイトル:   
着者名: Ryo Mitoma, Shunsuke Tamura, Hiroshi Tateishi, Takako Mitsudo, Ichiro Tanabe, Akira Monji, Yoji Hirano*
掲载誌: Journal of Affective Disorders Reports
顿翱滨: 丑迟迟辫蝉://诲辞颈.辞谤驳/10.1016/箩.箩补诲谤.2021.100277    

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