Research Results 研究成果
ポイント
概要
サルコペニア1)は进行性かつ全身性の筋力?筋肉量の低下を特徴とする症候群であり、わが国では高齢者の约10%を占める约400万人がサルコペニアに该当すると考えられています。加齢により心身が老い衰えた状态となるフレイル2)の主要な原因であり、要介护状态や死亡のリスクが高まります。超高齢社会を迎えたわが国では、健康寿命延伸の観点より、サルコペニアの病态解明は喫紧の课题です。
代表的な副肾由来ホルモンであるコルチゾール3)はストレスから身体を守り、糖利用や血圧、骨量などの调节に必须のホルモンです。しかしながら、过剰なコルチゾールは有害であり、例えば、コルチゾールを过剰に分泌するクッシング症候群やステロイド薬の长期投与による副作用として、糖尿病、高血圧、骨粗鬆症、骨格筋萎缩などの様々な代谢疾患が认められます。一方、健常者において加齢や慢性的なストレスによりコルチゾール分泌が軽度かつ持続的に上昇し、筋力?筋肉量の低下に影响する可能性があるものの、両者の因果関係は不明でした。
九州大学大学院医学研究院の小川佳宏教授、马越真希日本学术振兴会特别研究员搁笔顿、同大学大学院医学系学府の胜原俊亮大学院生らの研究グループは、メンデルランダム化(惭搁)研究4)により、健常者において軽度なコルチゾール上昇が筋力?筋肉量の低下と因果関係を有することを明らかにしました。本研究により、加齢や慢性的なストレスによる副肾由来ホルモンの不均衡がサルコペニアの进展に影响することが示唆され、サルコペニアの病态解明や治疗标的の同定につながることが期待されます。
一塩基多型(厂狈笔)(5)の情报を活用してコルチゾールと筋力?筋肉量の因果関係を解明