伊人直播app

Research Results 研究成果

细胞が基板表面に接着する「瞬间」を高时空间分解能で捉えることに成功

?ナノサイズの线维状构造体を放射状に出し、细胞が自らを仮留めする? 2021.12.14
研究成果Physics & Chemistry

プラズモンメタ表面を用いて細胞の接着過程を高解像度に実時間観察した結果(視野50 x 50 μm)。明るく見えているのは、細胞接着に関わるタンパク質であるパキシリン。接着初期(左)では細胞体から放射状に伸びる繊維状の突起構造が細胞を仮留めするように接着し、そこを起点として成熟した接着斑が接着後期(右)で形成される。

 再生医疗などの目的で细胞を体外で培养する场合,足场となる人工物への细胞の接着が细胞のその后の运命を决めます。数时间をかけて安定に接着した细胞の形态については、超解像度顕微镜(※1)など様々な先端的手法により数十ナノメートルの解像度まで调べられるようになってきましたが、细胞が人工物に触れた直后のごく弱い接着状态の细胞の动きについて、これまでリアルタイムに高解像度で捉えることは困难でした。
 九州大学先導物質化学研究所の有馬祐介 准教授,玉田薫 主幹教授,Shi Ting Lee学術研究員らの研究グループは、均一に自己組織化された金ナノ粒子からなる「プラズモンメタ表面(※2)」を用いて、細胞が接着し始める初期の挙動をナノの解像度でリアルタイム観察することに成功しました。その結果、細胞が「線維状」の構造体を「放射状」に出して基板に自らを仮留めした後、成熟した接着斑(※3)構造へと形態を変化させていくことを突き止めました。
 この现象は细胞接着性の低い基板上でのみ観察され、すなわち细胞が接着のごく初期段阶で、足场となる人工物の表面の特性を捉えていた証拠になります。
 この発见は细胞と接触する人工材料を开発する上で重要な知见となります。また细胞の接着ダイナミクスを高い时空间分解能で観察できる本技术は、细胞の分子レベルでの振る舞いを理解するための基盘技术として幅広い応用が期待されます。
 本研究は、JSPS科研費基盤S「局在プラズモンシートによる細胞接着ナノ界面の超解像度ライブセルイメージング(JP19H05627)」の支援により行われました。また、本研究成果は、2021年11月29日にWiley Online Library: Advanced NanoBiomed Research(Open access)にて公開されました。

用语解説

(※1)超解像度顕微镜
回折限界を超えた解像度を持つ光学顕微鏡の総称。ノーベル賞を受賞したSTED、 PALM、STORM などがある。

(※2)プラズモンメタ表面
自然界には存在しない特殊な光学特性を示す材料表面のうち、金属ナノ構造体から形成され、プラズモン特性を示すもの。 本研究では、直径約10 ナノメートルの金微粒子を自己組織化させることで、極めて高い屈折率と大きな消光係数を持つナノの厚みのメタ表面を作製した。このメタ表面の光吸収波長と細胞に発現させた蛍光タンパク質の発光波長を重ねることで、細胞にダメージを与えない高解像度イメージングを実現した。

(※3)接着斑                 
 細胞が足場に接着する際に形成される、複数種のタンパク質からなる集積構造。本研究では、接着斑を構成するタンパク質の一つであるパキシリン、接着斑を起点として細胞内骨格を担うアクチンに結合するペプチド (LifeAct)のそれぞれに蛍光タンパク質が結合したものを細胞に発現させ、その挙動を蛍光顕微鏡で観察した。

研究者からひとこと
プラズモンメタ表面を使った観察法は、これまで観察が困难であった一时的に现れる不安定なナノ构造体の観察に効果を発挥します。今后は本研究をがん细胞、肝细胞等の动态観察へと応用し、医工连携分野で着実に成果を出していきたいと思います。

论文情报

タイトル:
着者名:
Shi Ting Lee, Thasaneeya Kuboki, Satoru Kidoaki, Yukiko Aida, Sou Ryuzaki, Koichi Okamoto, Yusuke Arima, Kaoru Tamada
掲载誌:
Advanced NanoBiomed Research 
顿翱滨:
10.1002/anbr.202100100

研究に関するお问い合わせ先