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Research Results 研究成果

有机材料を用いた蓄光デバイスの高性能化に成功

~レアメタルを必要としない持続可能な产业の拡大と多様化に期待~ 2021.11.30
研究成果Physics & ChemistryTechnology

有机蓄光材料の発光の様子

 蓄光材料は非常诱导灯や时计、夜光涂料等に幅広く利用されていますが(図1)、现状の蓄光材料は结晶性无机材料で构成されており、高性能な蓄光材料はレアメタルや1000℃以上の高温処理を必要とします。
 九州大学大学院工学府博士課程の陣内和哉大学院生(研究当時)、最先端有機光エレクトロニクス研究センター(OPERA)の安達千波矢センター長と沖縄科学技術大学院大学(OIST)の嘉部量太准教授、Zesen Lin研究員らの研究グループは、レアメタルを必要としない有機材料を利用した蓄光発光 (Long Persistent Luminescence) 材料の高性能化に成功しました。
 2017年に本研究グループは、世界で初めて、电子ドナー性(电子供与性)と电子アクセプター性(电子受容性)を有する二つの有机材料を混合し、加热融解したフィルムにおいて蓄光発光が得られることを「狈补迟耻谤别」誌に报告しました。しかし、蓄光発光の発光持続性能は市贩される无机蓄光材料の100分の1程度に留まり、光を吸収できる波长も紫外光付近に限定されていました。また、酸素によって强い消光を生じるため、大気下での利用が困难でした。
 今回、本研究グループは、吸収波长の広い材料の选択、酸素との反応を低减するホール(正孔)拡散机构の利用、电荷蓄积材料添加によるエネルギー蓄积状态の安定化によってこれらの课题を大幅に解决し、窒素下では従来に比べ约10倍の性能を示し、大気下でも机能する有机蓄光材料を実现しました(図2)。本研究の有机蓄光材料を活用すればレアメタルを必要としない持続可能な产业の拡大と多様化が期待されます。
 本研究成果は、2021年11月29日(月)午後4時(ロンドン時間)に科学雑誌「Nature Materials」にて公開される予定です。

一般的な蓄光材料

研究者からひとこと
安达千波矢センター长「レアメタルを含まない有机材料は无机材料に比べて手に入りやすく、また、可溶性があるためプロセスが容易です。有机电荷移动系材料の精密制御によって多彩な励起子特性の発现と発光特性の向上が可能であることが本研究で示されました。今后、更なる学理の深化を期待しています。」
嘉部准教授「イオン性分子の利用や、ホールトラップ材料の添加など新しいコンセプトによって非常に安定な电荷分离状态が実现しました。电荷分离状态は蓄光として利用できるだけなく、光や热などの刺激に応答するため、様々な光机能材料への応用が期待されます。」

论文情报

タイトル:
着者名:
Kazuya Jinnai, Ryota Kabe, Zesen Lin and Chihaya Adachi
掲载誌:
Nature Materials
顿翱滨:
10.1038/蝉41563-021-01150-9 

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