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Research Results 研究成果

成体マウスの聴神経(ラセン神経节ニューロン)の再生に成功

~聴力改善治疗に期待~ 2021.11.24
研究成果Life & HealthPhysics & Chemistry

 九州大学大学院医学系学府博士课程の脇园贵裕大学院生(研究当时)、共同研究员の安井彻郎医学博士(研究当时)、同大学大学院医学研究院の中嶋秀行助教、中岛钦一教授らの研究グループは、伤害を受けた成体マウスの内耳において、少数の新しい神経细胞(ニューロン)が出现することを発见し、その数を増殖因子とバルプロ酸の同时投与により着しく増やすことに成功、その结果、一度失われた聴力が回復することを発见しました。
 现在、世界には人口の约5%にあたる4亿3000万人以上の难聴者が存在し、2050年までに25亿人近くが难聴を持つと予测されています(奥贬翱统计、2021年)。しかしながら、内耳および聴覚神経の伤害は、これらの细胞が哺乳动物では再生しないと考えられてきたことから、补聴器や人工内耳などのデバイスによる対症疗法のみで、根本的な治疗法はありませんでした。近年、一次聴覚ニューロン(※1)であるラセン神経节ニューロン(※2)が存在するラセン神経节において、伤害时に増殖性を有する神経干细胞(※3)様细胞の出现が报告されました。しかし、先行する报告では、これらの増殖性细胞はニューロンへとは分化せず、全てグリア细胞へと分化してしまうとされ、聴力改善も観察されませんでした。
 本研究グループは、内耳伤害を与えたマウスを详细に解析することで、伤害时に出现するこの増殖性细胞が、実は、非常に少数ながらニューロンへと分化していることを见出しました。また、増殖因子とバルプロ酸(※4)との组み合わせ投与によりこの神経干细胞様细胞の増殖を促进すると同时に、ニューロンへの分化及びその后の生存率を着明に亢进できることを见出し、伤害后の聴覚机能を改善させることに成功しました。これらの成果は难聴に対する治疗法として、将来的な临床への応用が期待できます。
 本研究成果は、2021年11月22日(月)午後12時(米国東部標準時間)に国際学術雑誌『JCI insight』に掲載されました。なお、本研究は日本学術振興会科研費(JP17K16925、JP16H06527、JP16K21734)の支援を受けました。

参考図

ラセン神経节ニューロン再生による低下聴覚机能の改善

研究者からひとこと
今回の発见をもとに、难聴で困っている方々のために、根本的で効果的な治疗法の开発につなげたいと思っています。

论文情报

タイトル:
着者名:
Takahiro Wakizono, Hideyuki Nakashima, Tetsuro Yasui, Teppei Noda, Kei Aoyagi, Kanako Okada, Yasuhiro Yamada, Takashi Nakagawa, and Kinichi Nakashima 
掲载誌:
JCI insight, 2021
顿翱滨:
10.1172/jci.insight.139171

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