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Research Results 研究成果

糖尿病の键?アディポネクチン受容体と同等の作用を示す低分子ペプチドを発见!

~インスリン抵抗性の改善および抗糖尿病作用に期待~ 2021.11.15
研究成果Life & HealthPhysics & Chemistry

 脂肪细胞から分泌される善玉ホルモンであるアディポネクチンは、骨格筋においてアディポネクチン受容体1(础诲颈辫辞搁1)との结合を介してグルコースの取り込みを促进することで抗糖尿病作用を示すと知られています。しかし、アディポネクチンの欠乏は、インスリン抵抗性およびⅡ型糖尿病を诱発するため、アディポネクチンと同等の作用を示す成分の开発が求められていました。
 今回、九州大学大学院农学研究院の松井利郎教授の研究グループは、アディポネクチン受容体1(础诲颈辫辞搁1)のアゴニスト(※1)作用を有する生理活性低分子ペプチド(※2)罢测谤-笔谤辞の発见に成功しました。罢测谤-笔谤辞は、ラット由来の骨格筋细胞(尝6细胞)において础诲颈辫辞搁1のアゴニストとして作用し、础惭笔活性化プロテインキナーゼ(础惭笔碍)/グルコース输送体4型(骋尝鲍罢4)経路を活性化することで、インスリン非依存的に细胞内へのグルコース取り込みを促进することが明らかとなりました。また、生体膜模倣タンパク质モデルを用いて罢测谤-笔谤辞と础诲颈辫辞搁1の结合新和性を评価することで、罢测谤-笔谤辞は础诲颈辫辞搁1のアゴニストとして作用し、抗糖尿病作用を示す有用な机能性分子であることが明らかとなりました。
 これまでに、AdipoRアゴニスト作用を有する低分子化合物としてアディポロンが報告されていますが(Okada-Iwabu et al.,Nature, 503, 493-499, 2013)、天然の食品成分に関しての報告はほとんどないのが現状です。それに対して、本研究で明らかとしたAdipoR1アゴニストとして作用する生理活性低分子ペプチドTyr-Proは、インスリン抵抗性の改善および抗糖尿病作用を発揮する新規の食品成分として今後の展開が大いに期待されます。
 本成果は、2021年11月12日(金)19時(日本時間)に英科学誌「npj Science of Food」にオンライン掲載されました。なお、本研究は日本学術振興会科学研究費(JP18H02157、JP21H04863)の支援を受けました。

参考図

ラット由来の骨格筋细胞(尝6细胞)において低分子ペプチド罢测谤-笔谤辞は、础诲颈辫辞搁1を介して础惭笔活性化プロテインキナーゼ(础惭笔碍)経路を活性化することにより细胞膜へグルコース输送体4型(骋尝鲍罢4)をトランスロケーションさせ、インスリン非依存的にグルコース取り込み促进作用を有する。

研究者からひとこと
今回の研究で、AdipoR1アゴニストとして作用する低分子ペプチド Tyr-Proを初めて発見しました。今後、 自然発症Ⅱ型糖尿病モデルであるSDTラットを用いてTyr-Proの長期投与試験を実施し、糖尿病予防?改善作用の評価を目指していきます。AdipoR1を活性化するアゴニストの開発は、糖尿病などの生活習慣病に対する根本的な治療対策となると強く期待されます。

论文情报

タイトル:
着者名:
Yuna Lee, Akihiro Nakano, Saya Nakamura, Kenta Sakai, Mitsuru Tanaka, Keisuke Sanematsu, Noriatsu Shigemura, Toshiro Matsui 
掲载誌:
npj Science of Food 
顿翱滨:
10.1038/s41538-021-00114-2

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