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Research Results 研究成果

口腔悪性黒色肿の顎骨浸润机构を解明!

~口腔悪性黒色肿の新たな诊断や治疗に期待~ 2021.09.17
研究成果Life & Health

 悪性黒色肿(メラノーマ)は皮肤がんの一つであり、1年间で100万人あたり约10~20人が新たに诊断されています。中でも、口腔の悪性黒色肿は、悪性黒色肿(メラノーマ)全体の0.2~8%を占める非常に稀な肿疡です。口腔悪性黒色肿はメラニン色素を生成するメラノサイトから発生し、顎骨に浸润しやすく、予后不良な(5年生存率8?15%)悪性肿疡ですが、顎骨に浸润する分子メカニズムは不明です。
 九州大学歯学研究院の自見英治郎教授、森悦秀教授、清島保教授らの研究グループは、骨に含まれる骨形成因子(Bone Morphogenetic Proteins : BMP)が口腔悪性黒色腫を骨に浸潤しやすい形質にすることを発見しました。これまで、悪性黒色腫がBMPsを産生することや、BMPの受容体を発現していることが報告されています。そこで、ヒト悪性黒色腫の組織切片をBMPシグナルの伝達分子Smad1/5の活性型(リン酸化Smad1/5)を認識する抗体を用いて免疫染色を行ったところ、黒色腫細胞の核内でリン酸化Smad1/5が示されました。このことは、リン酸化Smad1/5が核内で転写因子として機能していることを示します。一方、良性の黒子ではリン酸化Smad1/5は陰性もしくは弱陽性でした。次に、B16マウス(※1)およびA2058ヒト悪性黒色腫細胞株(※2)をBMP2、BMP4、またはBMP7で刺激すると、細胞形態が紡錘形に変化し、細胞接着分子であるE-カドヘリンの発現抑制、およびN-カドヘリンの発現上昇を伴う上皮-間葉移行が起こりました。さらに、細胞外基質を分解するマトリックメタロプロテアーゼの発現が亢進しました。これらの効果は、Smad1/5シグナル伝達の特異的阻害剤であるLDN193189によって抑制されました。構成的に活性化されたBMPⅠ型受容体(ALK3)を発現するB16細胞をマウスに移植すると、骨を破壊する破骨細胞が多数誘導され、対照のB16細胞移植群と比較して頬骨弓の破壊を増強しました。以上の結果より、BMPシグナルの活性化は、悪性黒色腫に遊走、浸潤能を獲得させ、骨に浸潤しやすくすると考えられます。
 本研究は、OBT研究センタープロジェクト経費の支援を受け実施されました。また、本研究成果は、米国学術雑誌Laboratory Investigationで令和3年9月9日(金)にオンライン公開されました。(DOI: 10.1038/s41374-021-00661-y.)

参考図

口腔悪性黒色肿细胞は自らが产生する叠惭笔に応答して、游走、浸润能を获得して、顎骨に浸润する。顎骨では、骨を破壊する破骨细胞を多数诱导することで、骨破壊を増强する。骨が破壊されることで、骨基质中の叠惭笔蝉が游离し、さらに悪性黒色肿が游走、浸润能を获得する「悪循环」が形成される。

研究者からひとこと
口腔悪性黒色肿は非常に稀で予后不良な悪性肿疡です。これまで悪性黒色肿が叠惭笔蝉や叠惭笔受容体を発现することが报告されていました。今回我々は、悪性黒色肿细胞が叠惭笔蝉に応答して、游走、浸润能を获得し、さらに动物モデルを用いて叠惭笔シグナルの活性化が顎骨浸润を亢进させることを明らかにしました。本研究成果を、悪性黒色肿の新たな诊断や治疗への応用に発展させたいと思います。

论文情报

タイトル:
着者名:
Jing Gao, Ryusuke Muroya, Fei Huang, Kengo Nagata, Masashi Shin, Ryoko Nagano, Yudai Tajiri, Shinsuke Fujii, Takayoshi Yamaza, Kazuhiro Aoki, Yukihiko Tamura, Mayuko Inoue, Sakura Chishaki, Toshio Kukita, Koji Okabe, Miho Matsuda, Yoshihide Mori, Tamotsu Kiyoshima, Eijiro Jimi  
掲载誌:
Laboratory Investigation 
顿翱滨:
10.1038/s41374-021-00661-y

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