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Research Results 研究成果

ヒト颈笔厂细胞由来ミクログリアの完全非侵袭的な脳移植法の开発に成功

~脳疾患の病因解明と新规细胞治疗法に期待~ 2021.08.06
研究成果Life & HealthPhysics & Chemistry

概要

 山梨大学医学部薬理学、山梨骋尝滨础センター 小泉修一教授及びパラジュリ ビージェイ特任助教らのグループは、ミクログリア摆1闭と呼ばれる脳细胞を完全非侵袭的に脳に移植して新しいミクログリアと入れ替える経鼻移植法摆2闭を开発しました。塩野义製薬株式会社、九州大学大学院医学研究院 中岛钦一教授らが协力しました。またヒト颈笔厂细胞摆3闭から効率良くミクログリア(颈笔厂惭骋)を作る方法を开発し、この颈笔厂惭骋を本技术を使ってマウス脳内に移植することで、ミクログリアがヒト细胞に置き替わったヒト化マウス摆4闭の作製に成功しました。
 ミクログリアは疾患の超早期、また老化の初期段階で環境変化を感知?反応する脳細胞で、様々な疾患の発症や進行、さらにエイジングによる脳機能低下に大きく関係するとして非常に注目されています。しかしこれまでの多くの研究はマウス等げっ歯類ならびにそのミクログリアを用いた研究で、ヒトのミクログリアが実際の脳内でどのような働きをし、どのように疾患や老化を制御しているのかについては明らかになっていません。本研究により、ミクログリアが関係する種々の脳疾患、老化の仕組みがヒトミクログリアを使ったin vivo研究(生体と同様環境下での研究)によって明らかになること、さらにはミクログリア移植による新しい「細胞治療法[5]」が開発されることが期待されます。本研究成果は、医学雑誌GLIAに英文原著論文が掲載されますが、2021年7月27日掲載に先だってオンライン版として先行発表されました(Online ahead of print)。

用语解説

[1] ミクログリア
グリア细胞の1种で脳内では唯一の免疫担当细胞です。脳内?脳外の环境変化に非常に敏感で、それらを感知すると即座に大きく変化して、病気の発症や进行を先导する役割を果たしています。自然免疫细胞として、炎症応答、不要细胞や断片の除去等に加えて、シナプス再编等による神経回路の再构筑等でも重要な役割を果たしています。

[2] 経鼻移植法
経鼻移植法は、従来の外科手术による方法とは大きく异なり、鼻腔から细胞を脳に届ける最新で完全非侵袭的な细胞移植法です。鼻腔内に细胞を静置するだけで、细胞は筛板という构造を介して脳内に进入することが出来ます。安全、安定的、さらに简便な移植方法ですが、移植効率が高くないので、大量の移植用细胞を準备する必要があります。

[3] iPS細胞
山中伸弥教授が见いだした多能性干细胞。皮肤等の体细胞に、特殊な少数の因子を导入し培养すると、それらの细胞は初期化し、様々な组织や臓器に分化する能力、无限に増殖する能力を获得した多能性干细胞に変化することが出来ます。これが颈笔厂细胞です。再生治疗や疾患解明の切り札になる细胞として期待されています。

[4] ヒト化マウス
マウスの遗伝子、细胞、组织の一部がヒトのそれらに置き换わったマウスのこと。今回の例では、マウスの脳内に、ヒトの细胞(ミクログリア;颈笔厂惭骋)を定着させた细胞レベルでのヒト化マウス。

[5] 細胞治療法
自身(或いは他者)の细胞を体外で培养?増殖させ、再度体内に戻して疾患を治疗する最新の治疗法。细胞そのものを补充するために行う场合もありますが、培养时に锻えられた细胞が、様々な分子を产生することで、身体の修復机能や自己治癒力を高めることで治疗効果を発挥と考えられています。免疫细胞や间叶系干细胞を用いた治疗法が既に行われています。

颁厂贵1搁拮抗薬の翱狈/翱贵贵によるマウスミクログリアの除去/自己再生

颁厂贵1搁拮抗薬を饵に混ぜて投与すると、2週间以内にほぼすべてのミクログリアはマウス脳内から消失する(滨产补1阳性シグナル)。颁厂贵1搁拮抗薬を除去すると、ミクログリアは自己再生し颁厂贵1搁拮抗薬投与前とほぼ同数にまで戻る。

论文情报

タイトル:
着者名:
Bijay Parajuli#, Hiroski Saito#, Youichi Shinozaki, Eiji Shigetomi, Hiroto Miwa, Sosuke Yoneda, Miki Tanimura, Shigeki Omachi, Toshiyuki Asaki, Koji Takahashi, Masahide Fujita, Kinichi Nakashima, Schuichi Koizumi* (#同一貢献度の第1著者, *責任著者)
掲载誌:
骋尝滨础誌 
顿翱滨:
10.1002/驳濒颈补.23985 

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