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Research Results 研究成果

ナノ気泡を使った金属腐食抑制?スケール抑制技术の提案

2021.06.23
研究成果Physics & ChemistryTechnology

 九州大学 大学院工学研究院 地球資源システム工学部門の喜岡新 助教と中川昌美 客員教授(本務:米国コロラド鉱山大学)は、金属腐食やスケール(※1)付着の抑制におけるウルトラファインバブル(※2)の応用可能性について提案しました。
 我が国は世界有数の地热资源保有国であるため、再生可能エネルギーを利用する地热発电が注目されています。地热発电所の多くは九州地方に集中していますが、我が国に限らず世界中の地热発电所において、発电所施设の配管での腐食ならびに炭酸カルシウムやシリカ等のスケール付着が発生しています。腐食やスケール付着は、定期的な配管交换や高価な钢材の导入が必要になることや、発电出力の低下、スケール付着物除去に伴う着しいコスト増加をもたらすなど、地热発电所の运営上で大きな问题となっています。
 そこで研究グループは、様々な先行研究で発见や予测されているウルトラファインバブルの基础的な物理化学特性の知见をもとに、ウルトラファインバブルを使って腐食やスケール付着を軽减できるかどうかを考察しました。その结果ウルトラファインバブル利用は、腐食抑制やスケール抑制に有効であるだけでなく、(1)化学薬品不使用なため环境に优しい「グリーン」な材料であること、(2)安価、(3)导入が比较的容易、(4)地热発电のような比较的高温?高圧な环境でも使用可能、(5)长时间使用可能、といった従来の抑制剤では难しい侧面でのメリットがあることが分かりました。今回の研究グループの研究は理论的な见地に留まりますが、今后の様々な研究によって、ウルトラファインバブルの具体的な実用性だけでなく、腐食やスケール付着の问题を抱える様々な工学分野での応用可能性についても明らかになることが期待されます。
 本研究は本学工学研究新分野開拓助成および日本学術振興会科学研究費助成事業若手研究(JP21K14576)の支援を受けて実施されました。なお、この研究成果は2021年6月23日(日本時間)に「Renewable and Sustainable Energy Reviews」誌(IF = 12.1)にオンライン掲載されました。
(掲载鲍搁尝:丑迟迟辫蝉://诲辞颈.辞谤驳/10.1016/箩.谤蝉别谤.2021.111373)

※1:液体に含まれるカルシウムやシリカなどの无机塩类が设备机器に付着したものです。
※2:ナノバブルとも呼ばれている数十?数百ナノメートル径の超微小気泡です。环境に优しく导入が比较的安価なことから、农林水产や美容など様々な分野での応用例も数多く报告されています。

参考図

ウルトラファインバブルによるシリカスケール抑制メカニズムの概略図。

研究者からひとこと
ウルトラファインバブルは発展着しい研究分野です。今后はウルトラファインバブルの基础的な物理化学的特性の理解を目指したサイエンスと、环境に优しい性质を活かした応用研究を并行して进めていければと思っています。

论文情报

タイトル:
着者名:
Arata Kioka, Masami Nakagawa
掲载誌:
Renewable and Sustainable Energy Reviews 
顿翱滨:
10.1016/j.rser.2021.111373

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