Research Results 研究成果
ポイント
概要
北海道大学大学院理学研究院,喜界岛サンゴ礁科学研究所及び総合地球环境学研究所の渡边刚讲师,九州大学大学院理学研究院及び喜界岛サンゴ礁科学研究所の山崎敦子助教,北海道大学大学院理学院博士后期课程の渡邉贵昭ら(执笔当时)の研究グループは,过去1,000年间と比べて现在のアラビア海の涌昇流が弱まっていることを発见しました。
インド洋の夏季モンスーンによって発生するアラビア海の涌昇流は,深层の海水を海洋表层へ输送しています。このときに输送される海洋深层の低海水温及び富栄养な海水は,海洋表层の生态系や周辺の気候に大きな影响を与えます。
渡边讲师らの研究グループは,アラビア海产の造礁性サンゴ*1の酸素安定同位体比*2や厂谤/颁补比*3(ストロンチウム/カルシウム比)を分析し,1,000年前から现在までの海水温?塩分変动を復元しました。その结果,近年の涌昇流は过去1,000年间と比べて弱くなっていることを解明しました。
このアラビア海の涌昇流の弱化倾向は,インド洋周辺の気候や渔业に影响をもたらすことが予想されます。
なお,本研究成果は,2021年5月24日(月)公開のGeophysical Research Letters誌に掲載されました。
インド洋周辺の温暖化倾向
地図上の赤色地域では急速に温暖化しており,黄色地域では缓やかに温暖化していることを示す。地図上の星印はサンゴ试料を採取したマシラ岛を示す。