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Research Results 研究成果

海岸性ハネカクシ科甲虫の新种を発见

2021.05.07
研究成果Environment & Sustainability

 九州大学大学院生物資源環境科学府博士課程の劉沺沺(リュウテンテン)大学院生(研究当時)、同大学総合研究博物馆の丸山宗利准教授らは、うみねこ博物堂の小野広樹氏の協力のもと、海にすむ昆虫の一群である海岸性ハネカクシ科甲虫の新种を発见しました。
 昆虫は地球上のさまざまな环境に进出したもっとも多様な生物であることは良く知られていますが、海にも昆虫がいると言うと惊く人が多いでしょう。様々な要因により、海岸や海に住む种の数(海岸性昆虫)は非常に限られおり、ほとんどの种は昔からの环境が残された海岸にのみ生息することができます。しかし现在、护岸工事による自然海岸の消失や海洋汚染、海岸への车の乗り入れ等により、多くの种が激减、あるいは絶灭の危机に濒していると考えられています。
 海岸性昆虫には、満潮时に水没する潮间帯に生息する特殊な种がいます。そのなかでもハネカクシ科甲虫の仲间はもっとも多様性の高い一群ですが、未知の种が多く、丸山准教授らは日本产种の分类学的研究を长年続けてきました。今回、潮间帯性ハネカクシ科甲虫の一群であるナギサハネカクシ属の分类学的研究を行い、合计17种を认め、9新种を発见しました。本属はインド洋から太平洋の沿岸に広く生息しますが、日本はもっとも多様性が高い地域となります。また、昆虫は通常、翅の発达した种ほど分布が広いことがわかっていますが、本属の种は后翅の退化した种ほど広い分布を持つという、非常に珍しい倾向があることも示唆されました。
 本研究成果は、2021年(令和3年)5月7日(金)(日本時間14:00)付けでチェコの国際学術誌「Acta Entomologica Musei Nationalis Prague誌」に掲載されました。

日本産ナギサハネカクシ属の全種 (F, H, I , J, K, L, M, Nが新種)

研究者からひとこと
本研究は、丸山が大学院生のときに开始したのですが、非常に分类が难解な一群で、研究が停滞していました。今回、博士课程で本属を研究した刘さんの努力と、小野さんの助力により、成果が出てうれしく思うとともに、予想以上の种数の多さに、日本の生物多様性の奥深さを再认识しました。

论文情报

タイトル:
着者名:
Tian-tian LIU, Hiroki ONO, Munetoshi MARUYAMA 
掲载誌:
Acta Entomologica Musei Nationalis Prague 
顿翱滨:
10.37520/补别尘苍辫.2021.009 

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