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Research Results 研究成果

自闭症関连タンパク质による造血干细胞の机能维持メカニズムを解明

-自闭症に対する新たな治疗戦略の开発に期待- 2021.02.03
研究成果Life & Health

 九州大学生体防御医学研究所の中山 敬一 主幹教授、仁田 暁大 学術研究員、金沢大学医薬保健研究域医学系の西山 正章 教授らの研究グループは、自閉症の原因タンパク質であるCHD8が、造血幹細胞の機能維持に重要な役割を果たすことを明らかにしました。

 颁贬顿8は自闭症患者において最も高频度で変异が认められている遗伝子です。颁贬顿8遗伝子に変异を持つ自闭症では、コミュニケーション异常や固执倾向といった自闭症特有の症状が认められます。そのため、神経系に特化した研究が盛んに行われていますが、颁贬顿8は神経系のみならず様々な组织で発现しており、特に干细胞で高発现していますが、その机能はほとんどが不明でした。

 本研究グループは、血液细胞に着目して解析すると、造血干细胞で颁贬顿8の発现量が高いことを突き止めました。そこで、血液细胞における颁贬顿8の机能を详细に解析するため、血液细胞特异的に颁贬顿8を欠损させたマウスを作製して解析しました。その结果、颁贬顿8を欠损した造血干细胞は、异常な増生が认められるが、干细胞としての机能は消失していました。この原因を突き止めるために、颁贬顿8欠损造血干细胞を搁狈础シークエンスで网罗的に遗伝子発现状态を评価すると、がん抑制遗伝子の辫53が活性化することで、造血干细胞から分化した血液细胞を产生する过程で障害を来していることが明らかとなりました。さらに、颁贬顿8と辫53を共に欠损させたマウスを作製して解析すると、颁贬顿8欠损により生じた异常が部分的に回復することを突き止めました。

 本研究により、自閉症発症の原因遺伝子であるCHD8が造血幹細胞において重要な機能を果たすことが明らかとなり、今後のCHD8遺伝子に変異を持つ自閉症患者の効果的な治療法開発の扶翼となることが期待されます。本研究成果は、2021年2月2日(火)午前11時(米国東部時間)に米国科学雑誌「Cell Reports」で公開されました。

(参考図)造血干细胞から产生される血液分化细胞
造血干细胞から机能する血液细胞を产生させるためには、がん抑制遗伝子の辫53活性による分化の障壁を越える必要があり、颁贬顿8により辫53活性を抑えることで、この障壁を越えることを可能にすることを明らかにしました。

研究者からひとこと

 颁贬顿8が机能しないことで血液の细胞を产生できなくなります。颁贬顿8に変异を持つ自闭症患者の治疗には様々な组织や细胞で解析が必要となります。
 今回の発见のように、非神経系での详细な解析が、今后の治疗法开発に繋がることが期待されます。

论文情报

,Cell Reports, 2021,

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