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Research Results 研究成果

触っただけで痛みがでるのはなぜ?

~厄介な痛みに重要な神経细胞を特定~ 2021.01.12
研究成果Life & Health

 がんや糖尿病、帯状疱疹、脳梗塞などで神経系が障害を受けた场合、神経障害性疼痛と呼ばれる慢性疼痛が発症することがあります。その発症机序は分かっておらず、また抗炎症性解热镇痛薬などの一般的な薬では抑えることができません。特に、皮肤に軽く触れるような刺激でも痛みがでる「アロディニア」という症状はモルヒネも効き难く、治疗に难渋するとても厄介な痛みです。皮肤からの触覚と痛覚信号はそれぞれ区别された神経を伝わるため、通常であれば触刺激で痛みがでることはありませんが、神経系が障害を受けた场合、なぜ触覚が痛覚に误変换されてしまうのでしょうか?今回の研究では、その変换メカニズムの解明につながる重要な结果を得ることができました。

 九州大学大学院薬学研究院薬理学分野の津田诚主干教授、田岛谅一大学院生(当时)、古贺启祐大学院生、吉川优大学院生および新潟医疗福祉大学健康科学部健康栄养学科の八坂敏一教授らの研究グループは、脊髄の表层に局在するある特别な神経细胞(※)の活动が神経障害后に低下することを発见し、それがモルヒネも効きにくい神経障害性アロディニアの原因であることを世界で初めて明らかにしました。また、神経に障害を受けていない正常のネズミで、この神経细胞の活动を人工的に低下させると、それだけでアロディニアの発症を再现することができました。さらに、神経障害后に低下した神経活动を高めることで神経障害性アロディニアを缓和することにも成功しました。したがって、今回特定した神経细胞の活动を高める化合物が见つかれば、神経障害性疼痛などの慢性疼痛に有効な治疗薬の开発に新しい大きな道筋をつくることが期待されます。

 本研究成果は、2021年1月12日(火)午前5时(日本时间)に米科学誌『米国科学アカデミー纪要(笔狈础厂)』のオンライン版で公开されました。

※神経ペプチド驰のプロモーターで制御できる神経细胞。脊髄の第滨滨层外侧に存在する。この神経は相手の神経细胞を抑制する作用を有する、抑制性介在神経である。

 

今回特定した神経细胞(相手の神経を抑制する作用がある)は、正常に働くことで、触覚伝达神経からの信号が脳に痛みを伝える神経を兴奋させないようにしています。
しかし、神経が障害を受けた场合、その神経活动が低下してしまうため、触覚信号が脳に痛みを伝える神経に入ってしまいます。
したがって、今回特定した神経细胞が触刺激で痛みがでる「アロディニア」の発症に重要な役割を担っていることが考えられます。

研究者からひとこと
モルヒネも効かない神経障害性アロディニアの発症に重要な神経细胞グループを新たに発见できました。今后は、この神経细胞の活动が低下するメカニズムを明らかにし、加えて、神経活动を高める新たな方法を探索していきたいと思います。

论文情报

タイトル:
着者名:
Ryoichi Tashima, Keisuke Koga,Yu Yoshikawa, Misuzu Sekine, Moeka Watanabe,Hidetoshi Tozaki-Saitoh, Hidemasa Furue, Toshiharu Yasaka, and Makoto Tsuda
掲载誌:
米国科学アカデミー紀要 (PNAS) 
顿翱滨:
https://doi.org/10.1073/pnas.2021220118

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