Research Results 研究成果
九州大学応用力学研究所の内田孝紀准教授は、ジャパン?リニューアブル?エナジー株式会社(JRE)と共同研究(風力発電における風況予測の精度向上に関する研究)を実施し、山间部の风力资源予测に対する大気安定度の影响解明に成功しました。
一般的に、地表面近くの空気层は大気境界层と呼ばれ、铅直方向に温度(密度)が変化する成层状态を形成しています。特に夜间においては、上空に向かって温度が高くなる(密度が小さくなる)安定成层流が形成されます。この安定成层流が复雑な地形を过ぎる场合には、大気中の温度変化が无い昼间の中立成层时には见られない様々な波动现象や流动现象が出现します。そのため、安定成层时に形成される风况特性を正确に予测し、把握することは、风力エネルギーの有効利用、大気汚染物质の移流拡散现象予测、森林や农作物の风害対策などに极めて重要です。
そこで、内田准教授は闯搁贰とともに、典型的な复雑地形を対象とし、中立成层时と安定成层时における数値风况シミュレーションを実施しました。1年间の仮想データに基づいて2惭奥级の大型风车の経済性评価を行い、大気安定度が与える影响について考察を行いました。両ケースにおける风车の设备利用率の比较を行った结果、安定成层时の设备利用率は中立成层时の2.775倍も増加することを明らかにしました。国内外の风力业界でこれまで実施されてきた経済性评価は、中立成层时のみを対象としたものが大半でしたが、今回の研究により、実际の気象条件に照らし合わせ、大気安定度の状况を考虑することで、より正确な风力资源予测が実现可能であることを示しました。
本研究成果は、2020年12月16日付で国际学术雑誌「贰苍别谤驳颈别蝉」に掲载されました。
(参考図)
本研究で得られた数値风况シミュレーションの一例
(中立成层时と安定成层时において、狈辞2风车の周辺に出现する流れパターンが大きく异なる)
/応用力学研究所が所有するスーパーコンピュータSX-Aurora TSUBASAによる大規模並列計算