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Research Results 研究成果

地下の水圧の时空间変化を推定するモニタリング技术の开発に成功

―日本列岛の地震断层や火山の不安定性を把握する新たな情报として期待― 2020.11.27
研究成果Physics & ChemistryTechnology

 九州大学大学院工学研究院地球資源システム工学部門/カーボンニュートラル?エネルギー国際研究所(I2CNER)の 辻健 教授、池田達紀 助教、Rezkia Dewi Andajani 博士学生、コロラド鉱山大学のRoel Snieder教授は、微小な振動(微動)を用いたモニタリング手法で、日本列島深部で生じる地殻の不安定さ(地震や噴火の発生しやすさ)の時空間変動を推定することに成功しました。 

 九州大学のグループでは、日本列岛の地殻内部を微动が伝わる速度(弾性波速度)の时空间変化をモニタリングする手法の开発を行ってきました。これまでの研究で、日本列岛の地表から地下约5办尘までの弾性波速度の时空间変化を推定することに成功しました(図1)。1日ごとのモニタリング结果は、地殻内部の不安定性の评価に资する新たな情报として、既に奥别产上にも公开しています(鲍搁尝:)。
 しかし、弾性波速度は、地震や喷火、地下の水圧(间隙水圧)などの様々な要因により时间変化することは知られていますが、その変化量を定量的に评価する方法は未だ确立されていませんでした。そこで本研究では、弾性波速度変化と降水に伴う间隙水圧変化の関係を调べました。间隙水圧は、地震や火山喷火、地滑り等の地殻の不安定性を评価する上で欠かせない値です。
 解析の结果、我々がモニタリングしている弾性波速度(図1)は、地下の间隙水圧の変化を反映しており(図2)、その変化のパターンは岩石の种类や、岩石内の流体の流れやすさに依存することを明らかにしました。つまり、我々のモニタリングシステムにより、地殻の不安定性の度合いを示す「间隙水圧」の时空间変化をモニタリングできる可能性があることが分かりました。
 今后は、骋笔厂等の地表测地データでは得られない新たな地中のモニタリングデータとして确立するべく、机械学习といった手法も駆使し、より高精度な定量化手法の开発を进めていきます。
 また、本研究で开発した手法は、颁翱2の地下贮留といった地下空间の利用に伴う诱発地震の防止にも役立つことが期待できます。&苍产蝉辫;

 本研究は、日本学術振興会科学研究費(JP20H01997)の支援を受けたものです。本研究成果は2020年11月24日に国際科学誌『Earth, Planets and Space』に掲載されました。

 

図1:全日本列島地殻内部の弾性波速度の時空間変化。ここでは深度5kmのモニタリング結果を示す。赤い部分が、弾性波速度が低下した场所、つまり間隙水圧が高く、地殻が不安定な场所である。

図2:弾性波速度変化と间隙水圧の比较。両者には负の相関があることから、弾性波速度から间隙水圧を予测できる可能性があるといえる。

研究者からひとこと
近年の観测技术の発达により、地表変动だけではなく、地下内部の动きを可视化することができるようになりました。この技术を発展させ、地震や喷火の予测や、安全な颁翱2贮留やエネルギー开発に贡献できればと思っています。

论文情报

タイトル:
着者名:
Rezkia Dewi Andajani, Takeshi Tsuji, Roel Snieder & Tatsunori Ikeda
掲载誌:
Earth, Planets and Space
顿翱滨:
10.1186/s40623-020-01311-1

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