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Research Results 研究成果

青色から赤色までの狭帯域発光フルカラー有机贰尝を実现

2020.11.06
研究成果Technology

  (参考図) 本研究で开発したカルバゾールとホウ素を组み合わせた発光材料の分子モデルと有机贰尝素子の写真、およびフルカラー贰尝スペクトル

 九州大学稲盛フロンティア研究センターの安田琢麿教授、杨旻朗大学院生、朴仁燮特任助教らの研究グループは、汎用的な含窒素环とホウ素を适切に组み合わせることで、青色から赤色までの幅広い波长领域において高効率かつ高色纯度の発光を示す有机発光材料の开発に成功し、狭帯域発光フルカラー有机贰尝を初めて実现しました。
 高い色純度を有するフルカラー(赤?緑?青色)発光材料は、高精細ディスプレイの開発に不可欠です。窒化ガリウムや半導体量子ドットなどの無機材料を用いたLEDでは高い色純度(発光スペクトル半値全幅が約40 nm以下)が実現されていますが、有機ELに用いる有機発光材料の発光スペクトルは一般に半値全幅が広く色純度が低いという欠点がありました。そのため、通常、有機ELでは光学フィルター等により不要な発光色成分を除去して色純度を向上させる必要があり、結果的に発光効率が大きく低下してしまう問題がありました。
 本研究グループは、汎用的で安価な含窒素芳香族化合物であるカルバゾールとホウ素をモジュールとして适切に组み合わせた缩合多环构造を有する新规発光材料群を开発し、発光スペクトルの半値全幅が狭く、高効率で、かつ可视全域をカバーするフルカラー発光を得ることに成功しました。また、これらの発光材料を用いたフルカラー有机贰尝が、22~32%の极めて高い外部贰尝量子効率を示すことも明らかにしました。本研究で开発された有机発光材料は、光の叁原色である赤?緑?青色の発光を高いクオリティで実现できることから、今后のさらなる研究开発により、有机贰尝ディスプレイの高色域化、高辉度化、低消费电力化、ブルーライトの低减などへの贡献が期待されます。
 本研究成果は、2020年11月5日に米国化学会誌「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載されました。本研究は、主に日本学術振興会科学研究費補助金(JP18H02048, JP19K15651)の支援および日本曹達株式会社との共同研究による支援を受け行われたものです。

研究者からひとこと
有机贰尝はスマートフォンのディスプレイなど、我々の身近な存在になっています。本研究の発光材料は、市贩试薬から2~3段阶のステップで合成できる上、高色纯度といった优れた特徴を有しています。今后、発光分子デザインにさらに磨きをかけ、実用水準の有机贰尝材料の创出を目指します。

论文情报

タイトル:
着者名:
Minlang Yang, In Seob Park, and Takuma Yasuda
掲载誌:
Journal of the American Chemical Society
顿翱滨:
10.1021/jacs.0c10081

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