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Research Results 研究成果

発光性希土类错体におけるエネルギー移动机构の解明

~色纯度の高い高効率有机発光材料の开発に向けて~ 2020.10.15
研究成果Physics & ChemistryTechnology

 九州大学理学研究院の宫崎栞修士课程学生、宫田洁志助教、恩田健教授らの研究グループは、北海道大学大学院工学研究院の长谷川靖哉教授、北川裕一特任讲师らと共同で、1000亿分の1秒の时间分解能※1で発光过程を追跡することにより、希土类金属错体を用いた高効率有机発光体の错体内エネルギー移动机构の解明に成功しました。
 発光性希土类金属错体※2は、色纯度の高い発光を示すことから有机贰尝パネルなどの発光材料としての応用が期待されています。実用的な発光材料开発のためには高効率な错体内エネルギー移动の実现が重要となりますが、详细な机构が不明であることが开発のボトルネックとなっていました。これは希土类金属错体の性质が一般の金属错体とは大きく异なるため、エネルギー移动を伴う発光过程が非常に复雑となっていることに原因があります。そこで本研究では、独自に高时间分解能発光分光装置を改良?开発し、高効率赤色発光を示す叁価ユウロピウム(贰耻3+)错体※3において错体内エネルギー移动に伴い逐次的に起こる発光过程を実时间観测しました。その结果、异なる速さをもつ二种类のエネルギー移动机构が存在し、これが高効率発光の起源の一つであることを见出しました。今回明らかになったエネルギー移动机构を基にすることで、希土类金属错体を用いた新たな高効率有机発光材料を戦略的に设计できるようになると期待されます。
 本研究は主に科研費(JP17H06375, JP18H05170)の支援を受けて実施しました。
 本研究成果は2020年7月27日(月)に、アメリカ化学会の学術誌「The Journal of physical Chemistry A」のオンライン版で公開され、表紙絵(Supplementary cover)にも選出されました。
( 論文掲載URL:)

図:本研究で明らかになった二通りの错体内エネルギー移动过程とその时间スケールの関係。

 水色(厂1)遅いエネルギー移动过程  青(罢1)速いエネルギー移动过程

用语解説

※1 时间分解能
 测定器や観察装置などで、物理量や観察対象の変化を捉える最短の时间间隔のこと。
※2 発光性希土类金属错体
 配位子からの中心金属へのエネルギー移动を利用して中心金属である叁価希土类金属(尝苍3+)を効率的に発光させる错体。叁価希土类金属は金属ごとに特有の発光色を示すため、様々な発光材料としての応用が期待されている。(図1参照)
※3 叁価ユウロピウム(贰耻3+)错体
 様々な発光色を示す希土类金属の中で鲜やかな赤色発光を示す叁価ユウロピウムを用いた错体。
(図2参照)

図1 配位子からLn3+へのエネルギー移動

図2 赤色発光を示す三価ユウロピウム

研究者からひとこと

発光过程の実时间観测は非常に苦労しました。一つ一つの过程を见逃さないために様々な时间领域での测定を行い、解析をしました。丁寧に细かいところを追跡することで、今まで不明瞭であった错体内でのエネルギー移动に関して新たな知见が得られたことを嬉しく思います。今回得られた知见を活かして、実际に希土类有机贰尝を达成したいと思います。(宫崎)

论文情报

タイトル:
著者名:Shiori Miyazaki, Kiyoshi Miyata, Haruna Sakamoto, Fumiya Suzue, Yuichi Kitagawa, Yasuchika Hasegawa, and Ken Onda
掲載誌:The Journal of Physical Chemistry A
顿翱滨:10.1021/补肠蝉.箩辫肠补.0肠02224

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