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Research Results 研究成果

私たちの眠りの起源はどこに?

?脳を持たない动物ヒドラの睡眠制御机构を解明? 2020.10.12
研究成果Life & HealthPhysics & Chemistry

 九州大学基干教育院の伊藤太一助教と金谷啓之 (研究当時本学理学部4年生?現在東京大学大学院医学系研究科大学院生)らの研究グループは、Ulsan National Institute of Science and TechnologyのChunghun Lim准教授らの研究グループと共同で、原始的な神経系(散在神経系)を有するヒドラに睡眠が存在すること、さらにその制御因子が他の動物と共通していることを発見しました。
 睡眠はヒトをはじめとする哺乳类に限らず、鱼类や昆虫などの幅広い动物种で観察されます。いずれの动物种においても、睡眠は脳机能と深く関连しており、「睡眠と脳は切り离せない関係性にある」との考えが一般的でした。研究グループは、进化的に脳を获得していない动物であるヒドラに着目し、睡眠现象の有无を検証しました。独自に构筑した解析システムによってヒドラの行动を解析したところ、ヒドラには明确な睡眠位相が存在していることが明らかになりました。そこで研究グループは、他の动物の睡眠メカニズムと、ヒドラの睡眠メカニズムを比较することで、眠りの仕组みの起源に迫ることを目指しました。
 ヒドラに様々な生理活性物质を投与して睡眠长の変化を调べたところ、睡眠薬として知られるメラトニンや、骋础叠础では睡眠が促进されること、また、一般に覚醒物质と知られるドーパミンでも、睡眠が促进されることが分かりました。次に遗伝子レベルで検証するため、断眠させたヒドラの遗伝子発现を网罗的に解析しました。発现が変动した遗伝子の中には、これまでに幅広い动物种(マウス?ショウジョウバエ?线虫)で睡眠制御への関连が指摘されている肠骋惭笔依存性プロテインキナーゼ(笔搁碍骋1)が含まれており、薬理学的解析から笔搁碍骋1がヒドラにおいても睡眠制御に関与していることが明らかになりました。この结果を踏まえ、动物种间で共通した睡眠制御因子や新规の睡眠制御因子を探索するため、発现変动した遗伝子のオルソログ※をショウジョウバエにおいて机能阻害したところ、复数の遗伝子がショウジョウバエの睡眠长制御に関与していることが分かりました。
このことは、ヒドラの睡眠に関与する遗伝子群が、ショウジョウバエにおいても睡眠调节作用を持つことを示しています。さらに、一部の睡眠制御机构は、进化的に脳を获得する段阶で再编成された可能性が示されました。
 これらの結果に基づいて研究グループは、「動物が脳の進化よりも先に睡眠をメカニズムレベルで獲得していた可能性」を世界で初めて提唱しました。本研究成果は、10月7日(水)(現地東部時間2:00pm)に米国科学誌Science Advancesに掲載されます。

【研究助成】本研究成果は、公益財団法人住友財団基礎科学研究助成および九州大学研究支援QR プログラムの支援を受けて実施されました。
【用語解説】※ オルソログ: 異なる生物種が持つ相同な機能を持つ遺伝子のこと。

ヒドラ


【参考図】脳を持たない刺胞动物ヒドラとその他の动物で
共通した睡眠関连因子が明らかになった。

动物の系统树:睡眠は哺乳类に限らず、鱼、さらには昆虫、线虫といった幅広い动物种で観察されます。

研究者からひとこと

私たちが日常的に経験する眠りは、进化的にどこまで遡るだろうかという疑问をきっかけに、このチャレンジングなプロジェクトに挑みました。动物は「脳の进化よりも先に睡眠を获得していた」ことを実験的に証明することができたと考えています(金谷)。

论文情报

, Science Advances, 2020.
顿翱滨:10.1126/蝉肠颈补诲惫.补产产9415



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