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Research Results 研究成果

脂质を介する神経细胞の健常性维持のメカニズムを解明

ー 神経疾患の新たな治疗法开発に期待 ー 2020.09.11
研究成果Life & Health

 名古屋市立大学大学院薬学研究科の白根 道子 教授と九州大学生体防御医学研究所の中山 敬一 主幹教授らの研究グループは、神経疾患の原因タンパク質であるProtrudin(プロトルーディン)(※1)とPDZD8(※2)が、脂質輸送を介してエンドソーム成熟(※3)に働き、それが神経細胞の健常性維持に寄与していることを明らかにしました。
 神経细胞は轴索という长い突起を持っており、その中をエンドソームが输送されることにより、さまざまな物质を突起先端に向けて运びます。このエンドソームの极性输送(※4)は、远く离れたターゲット细胞に向けて神経突起を伸长したり、神経伝达物质を分泌したりする、神経细胞の基盘となる机构です。そのエンドソーム输送に不全をきたすと、神経変性疾患(※5)を発症します。しかしその発症机构の详细については不明でした。
 本研究グループは、遗伝性痉性対麻痺(※6)という神経変性疾患の原因として知られていたプロトルーディンの复合体解析を行い、新たに笔顿窜顿8というタンパク质を同定しました。プロトルーディンと笔顿窜顿8の复合体は、细胞内で小胞体とエンドソームの间を繋留し、その膜接触部位(惭颁厂蝉)(※7)において小胞体からエンドソームに脂质を输送してエンドソームの成熟を促し、その结果、神経细胞の健常性维持に働くことがわかりました。
 PDZD8は心的外傷後ストレス障害 (PTSD)(※8)のリスクファクターとしても知られています。よって今回の発見は、神経変性疾患だけでなく精神疾患も含む神経疾患全般に対し、発症原因の解明と新たな治療法の開発に繋がることが期待されます。
 本研究成果は、2020年9月11日(金)午後6時(日本時間)に英国科学雑誌「Nature Communications」で公開されます。なお、用語解説は別紙(詳細)を参照。

参考図 神経恒常性の维持机构
笔谤辞迟谤耻诲颈苍-笔顿窜顿8复合体は小胞体とエンドソームを繋留し、その膜接触部位で脂质を输送し、その结果正常なエンドソーム成熟がおこり、神経の恒常性が维持されます。

研究者からひとこと

神経细胞内で小胞体からエンドソームに脂质が运ばれることで、エンドソームが成熟し、そのメカニズムが破绽すると神経细胞が変性します。これらの知见から、これまで原因が不明で治疗困难であった神経疾患に対し、新たな治疗法の开発に繋がることが期待されます。

论文情报

,Nature Communications, 2020,
10.1038/s41467-020-18413-9

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