Research Results 研究成果
ポイント
? スギのさし穂を土にさすことなく、空気中に露出するように立て、定期的にミスト散水することによって発根させる手法を開発。
? この手法により、従来のさしつけ用の土の準備や掘り取り作業が不要に。
? 発根状況を目視で確認できるため、効率的なさし木コンテナ苗生産が可能に。
? 「新たなさし木発根技術によるスギさし木コンテナ苗生産マニュアル」を公開予定。
特许概要
特許番号:第6709449号 発明の名称:さし穂の発根装置 特許取得日:令和2年5月27日
これまでのスギさし木コンテナ苗生产では、さし穂を土にさしつけて発根させた后にコンテナへ移植して生产するという手法が一般的でしたが(写真础、叠)、さしつけ用の土の準备や発根した穂の掘り取り作业などの重筋作业を伴うことや発根部が地中であるため土から掘りとった后でなければ発根の有无や程度が分からず、移植のタイミングの判断が难しいなどの课题がありました。
国立研究开発法人森林研究?整备机构森林総合研究所林木育种センター九州育种场と国立大学法人九州大学は、さし穂全体を空気中に露出するように立て、一定の条件で定期的にミスト散水することによって、安定して発根させる手法を开発しました(写真颁、顿。以下「本手法」という)。本手法を活用することにより、さしつけ用の土の準备や発根したさし穂の掘り取り作业がなくなるとともに、発根をリアルタイムに目视で确认できるため、さし木コンテナ苗生产の効率化が期待されます。
现在、イノベーション创出强化研究推进事业(国立研究开発法人农业?食品产业技术総合研究机构生物系特定产业技术研究支援センター。以下「推进事业」という)において、推进事业の共同研究机関と共に本手法の実用化研究を进めています。この研究の成果に基づき、「新たなさし木発根技术によるスギさし木コンテナ苗生产マニュアル」を作成し、今年12月顷に公开する予定としており、优良种苗の更なる普及に贡献してまいります。
写真 土を使ったスギの通常のさし木の様子(A,B)と、本手法によるさし木の様子(C,D)
スギさし木コンテナ苗を生产する际は、通常さし穂を土にさしつけて発根させた后、コンテナへの移植を行います。苗畑にさし穂をさしつける露地さし(础)や、土を詰めた育苗箱にさし穂をさしつける箱ざし(叠)などで発根させます。一方、本手法では、作业台の上に発砲スチロール製ブロックとメッシュパネル等で作成したさし穂の支持装置に、スギのさし穂を立てて支持し、散水装置によって定期的にミスト散水を行うことによってさし穂から発根させることが可能です(颁)。本手法では発根の様子を容易に确认することが可能です(顿)。