Research Results 研究成果
北海道大学低温科学研究所の香内 晃教授,桐荫横浜大学スポーツ健康政策学部の中野英之教授,冈山大学惑星物质研究所の山下 茂准教授,奥地拓生准教授,九州大学大学院理学研究院の奈良冈浩教授,海洋研究开発机构生物地球化学センターの高野淑识主任研究员,东京大学大学院理学系研究科の橘 省吾教授らの研究グループは,星间分子云のチリに大量に含まれている有机物を加热すると,水が大量に生成されることを発见しました。これまで,地球に水をもたらした物质としては,彗星の氷や,炭素质陨石に含まれる水を含む鉱物などが候补になっていました。しかし,チュリュモフ?ゲラシメンコ彗星の探査によって彗星の氷の寄与はほとんどないことがわかり,また,炭素质陨石では地球の水が多くなりすぎるなどの问题があり,地球の水の起源はわかっていませんでした。星间分子云由来の有机物は,氷がなくなってしまう,太阳から2.5天文単位の距离より内侧の领域でも残っているため,有机物から水ができるという结果は,地球のみならず,火星や小惑星の水の起源を解明する上で,重要な成果です。「はやぶさ2」によって採取された试料中の有机物の分析と相まって,地球をはじめ,地球型惑星の水や有机物の起源が解明されることが期待されます。
なお,本研究成果は, 2020年5月8日(金)公開のScientific Reports誌に掲載されました。
ダイヤモンドアンビルセルで模拟星间有机物を加热したときの写真