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Research Results 研究成果

サンゴ骨格中からスマトラ島沖大地震の痕跡を発見 ~新たな古地震記録計の確立に向けて~

2020.02.14
研究成果Physics & ChemistryEnvironment & Sustainability

 北海道大学大学院理学研究院の渡边 刚讲师、九州大学及び喜界岛サンゴ礁科学研究所の研究グループは、2004、2005年に発生したスマトラ岛冲大地震に伴う海底の隆起と津波を示す复数のシグナルを、サンゴ骨格中の古环境復元指标から検出し、地震等によるサンゴの生息环境の変化と骨格成长への影响を明らかにしました。
 インドネシア?スマトラ岛冲では、过去数百年间にマグニチュード(惭)7以上の巨大地震が繰り返し発生しています。海沟型地震では、海底(または地表)の隆起と津波を伴うことがあり、2004、2005年に発生したスマトラ岛冲地震でも同様に、震源周辺の岛で数尘规模の隆起や巨大津波が発生しました。スマトラ岛冲は豊かなサンゴ礁が広がっており、このような地震イベントは造礁性サンゴの生息环境にも影响を与えたと考えられます。これまで、过去の地震イベントの検出やサンゴ礁への影响评価は,津波堆积物の分析やサンゴ礁のモニタリングなどにより行われてきましたが、地震イベント発生前后のサンゴ礁环境とサンゴの成长応答の详细は明らかになっていませんでした。
 研究グループは、インドネシア?シメル岛产の造礁性サンゴ骨格を用いて、骨格中の炭素安定同位体比や骨格成长を分析した结果、2004、2005年のスマトラ岛冲地震の発生を示す复数のシグナルを検出し、地震に伴う隆起?津波イベントがサンゴの生息环境に与えた変化と骨格成长への影响を明らかにしました。今后は、本研究の手法を化石サンゴ骨格に応用することで、より古い时代の地震イベントにおけるサンゴ礁环境の変化を捉えることができると期待されます。
 なお、本研究成果は2020年1月24日(金)公開のGeochimica et Cosmochimica Acta誌に掲載されました。

インドネシア?シメル岛冲に生息する造礁サンゴ群体(左?中央)と骨格柱状试料の一部(右)

论文情报

,Geochimica et Cosmochimica Acta,
10.1016/j.gca.2020.01.037

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