Research Results 研究成果
アミノ酸に代表される含窒素有机化合物は、様々な医薬品や生物活性物质に见られる重要な构造であり、その効率的な合成法の确立は医薬化学における重要な课题の一つです。この课题に対し、九州大学大学院薬学研究院の大嶋孝志教授、森本浩之讲师らの研究グループでは、近年、无保护ケチミンを用いた非天然アミノ酸类の新しい合成法を开発しています。これは従来必要であった保护基を使用しないことから、より廃弃物の少ない环境调和性に优れた合成手法になりえます。しかし、原料となる无保护ケチミンの合成の际、従来の方法では生成した副生成物の除去が必要であることから、原料合成も含めた反応全体での环境调和性の向上が望まれていました。
今回、大嶋教授、森本讲师および九州大学大学院薬学府博士课程1年の近藤优太大学院生らの研究グループは、市贩の金属触媒と窒素源试薬を组み合わせることで、カルボニル化合物から无保护ケチミンを高収率で直接合成可能な新规手法の开発に成功しました。本手法は従来法よりも少ない廃弃物量で简便に无保护ケチミンが大量合成可能であり、既存の手法では合成困难な无保护ケチミンの合成も初めて実现しました。また、本手法の共生成物が低反応性である特徴を生かし、合成した无保护ケチミンを単离せずに次の反応に用いる「ワンポット反応」に応用することで、非天然アミノ酸类の合成原料など様々な有用化合物のより効率的な合成を达成しました。
本研究成果は、アメリカ化学会が出版する国際科学誌「Organic Letters」オンライン版に2019年12月19日(木)(日本時間)に掲載されました。また、本研究は日本学術振興会科学研究費(JP15H05846、JP17H03972、JP18K06581)の支援を受けて実施されました。
(参考図)今回开発した、无保护ケチミンの触媒的直接合成法とそのワンポット反応への応用。本手法を用いることで、市贩の触媒と窒素源试薬から、より少ない廃弃物量で简便に様々な无保护ケチミンが合成できる。また、共生生物が低反応性のため、従来法では困难だった様々なワンポット反応にも适用可能であり、より効率的な有用化合物の合成が达成できる。
本研究により、様々な无保护ケチミンを効率的に供给可能となりました。今回开発した手法が今后幅広い反応に适用されることで、より环境调和性に优れた非天然アミノ酸类の合成法の开発がさらに発展することを期待します。