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Research Results 研究成果

シカによる食害がガ類群集の変化に影響した可能性 ~ガ類を用いた環境モニタリングによる自然再生に期待~

2019.07.23
研究成果Life & HealthEnvironment & Sustainability

 近年、気候変动や开発などによってさまざまな生物の生息环境が変化しています。また、最近では、シカの食害による希少植物などへの影响が悬念されています。
 九州大学大学院生物资源环境科学府(现在博士3年)の屋宜禎央と九州大学农学研究院教授の広渡俊哉は、九州大学农学部彦山生物学実験施设がある福冈県の英彦山において、ガ类相と各植生环境の现状を评価する目的で、2014年3~10月に计8ヶ所でライトトラップボックス法を用いて大蛾类を中心としたガ类群集の调査を行いました。その结果、438种6,276个体が採集され、各种について60年以上前に九州大学で调査されたガ类の生息状况のデータとの比较を行いました。その中で、シカが食害する植物を幼虫が食べるシャチホコガ科の数种が得られなかったことや、シカの不嗜好植物のオオバアサガラを幼虫が食べるチャイロアツバという种が多く得られたことから、シカによる食害がガ类群集の変化に影响を与えたことが示唆されました。本研究は、定量的调査によって日本で初めて过去の确実なデータと比较して、ガ类群集の変化の要因を推定したものです。本研究の成果は、2019年6月30日(日)に発行された日本环境动物昆虫学会誌に掲载されました。

(参考図)
彦山生物学実験施设(左上)
ライトトラップボックス法(右上)
ライトトラップで得られたチャイロアツバ(左下)
英彦山のニホンジカ(右下)

研究者からひとこと

本研究は、主着者の屋宜禎央君が学部生の时に卒业研究として行ったものです。英彦山の标高差のある8ヶ所でのトラップ设置と回収、そして大量のサンプルの同定は大変な作业ですが、彼は见事にやり抜きました。その后大学院に进学して潜叶性(絵かき虫)のグループを中心にガ类の分类研究を进め、惊くほどたくさんの新种を発见しています。
(広渡俊哉)

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